総重量・正味重量・容積重量の違いと請求重量の計算方法

総重量・正味重量・容積重量は輸出見積もりで最も誤りやすい数字です。税関は正味重量に課税し、キャリアは総重量と容積重量の大きいほうで請求します。容積重量 =(長×幅×高 cm)÷ 6000、除数が 5000 のキャリアもあります。スペックシート用の重量ブロックと送信前チェックリスト付き。

総重量・正味重量・容積重量の違いと請求重量の計算方法

総重量・正味重量・容積重量は、輸出見積もりが静かに狂っていく場所です。製品を量り、運賃を見積もったのに、キャリアは空気に対して請求してくる。段ボール箱の実測は 20 kg。請求書には 36 kg。誰も計算を間違えていません。あなたが違う数字で見積もっただけです。

同じ一つの箱を、4 つの数字が説明します。そしてそれぞれが別の相手のものです。バイヤーが欲しいのは 1 つ目、キャリアが請求するのは 2 つ目、税関が課税するのは 3 つ目。スペックシートに間違ったものを載せれば、古典的な結末が 3 つそろって返ってきます。運賃の想定外、バイヤーとの揉め事、そして自分でかぶるしかない見積もりです。

総重量・正味重量・容積重量はそれぞれ何を指すのか

  • **正味重量(ネット重量)**は貨物そのもので、包装は一切含みません。英国税関は「包装を含まない、貨物そのものの重量」と定義しています。
  • **風袋重量(テア重量)**は空の包装です。段ボール箱、パレット、木箱、コンテナ。中身は入っていません。
  • **総重量(グロス重量)**は正味重量に風袋重量を足したものです。(誰が尋ねるかによって範囲が変わります。ここが一番やけどしやすいところです。)
  • 容積重量は、容積重量・体積重量・DIM ウェイトとも呼ばれますが、そもそも重量ではありません。貨物が占める空間を、キャリアが価格をつけられるようキログラムに換算したものです。
  • 請求重量は、キャリアが実際に請求する数字です。Maersk は「運賃レートの計算に用いる数量化された重量」と定義しています。請求書に載るのがこれです。

計算式は固定です。総重量 = 正味重量 + 風袋重量。したがって正味 = 総重量 − 風袋、風袋 = 総重量 − 正味となります。

用語 含まれるもの 実際に使う相手
正味重量 製品のみ、それ以外なし 税関(課税標準)、バイヤー
風袋重量 段ボール箱、パレット、木箱、コンテナ 運賃計算、VGM 申告
総重量 正味 + 風袋(範囲は変動) キャリア、税関、トラック積載制限
容積重量 外装寸法のみ キャリア
請求重量 総重量と容積重量の大きいほう あなたの請求書

覚えておくべき一文はこれです。キャリアは製品の重さに対して請求しているのではなく、重量と空間のうち高くつくほうに対して請求しています。

運賃請求額を決めているのは除数です

容積重量は、はかりではなくメジャーから生まれます。Maersk によるメートル法の標準式は次のとおりです。

容積重量(kg) = (長さ × 幅 × 高さ、単位 cm) ÷ 6000

6,000 という除数は、国際航空運送協会(IATA)が定めた業界標準です。ヤード・ポンド法では同じ計算に 366 を使います。容積重量(lbs) = (長さ × 幅 × 高さ、単位インチ) ÷ 366。

そして肝心のルールです。請求重量は実重量(総重量)と容積重量という 2 つの値のうち、高いほうに基づきます。平均ではありません。好きなほうでもありません。高いほうです。

Maersk が示す計算例は、100 × 60 × 30 cm の箱です。

(100 × 60 × 30) ÷ 6000 = 容積重量 30 kg

  • その箱の実際の総重量が 50 kg なら → 容積重量(30)のほうが低い → 50 kg で請求されます。
  • その箱の実際の総重量が 20 kg なら → 容積重量(30)のほうが高い → 30 kg で請求されます。 10 kg 分の空気に料金を払ったことになります。

6000 だけが除数ではない理由

すべてのキャリアが IATA の数字を使うわけではありません。Maersk は「一部のキャリアは容積重量の計算に 6,000 ではなく 5,000 の除数を用いており、その結果、嵩張る貨物はより高いレートで課金されます」と述べ、さらに国際宅配便系のキャリアは独自の計算式を持ち、それは仕出地と仕向地によって変わるとしています。ブッキング前に除数を確認してください。

同じ箱(180,000 cm³)を 2 つの除数に通すとこうなります。

除数 容積重量 20 kg の箱への請求
6000(IATA 標準) 30 kg 30 kg — 実重量より 50% 増
5000(一部キャリアが採用) 36 kg 36 kg — 実重量より 80% 増

同じ箱、同じ貨物。6 キロの差を決めているのは、あなたが一度も読んだことのないタリフ文書の中の数字です。

誰も教えてくれない損益分岐の密度

1 m³(1,000,000 cm³)を除数で割ると、容積重量が効かなくなる密度が出ます。

輸送モード / 除数 計算式 分岐点の密度 その意味
航空、IATA 6000 (長×幅×高 cm) ÷ 6000 約 167 kg/m³ これより軽い → 空間に対して払っている
航空 / 宅配便、5000 (長×幅×高 cm) ÷ 5000 200 kg/m³ 容積がさらに早く勝つ
海上 LCL(W/M) 1 CBM ≈ 1,000 kg 1,000 kg/m³ 容積がほぼ常に勝つ

ここで自分の出荷品を見てください。フラットパック家具、照明器具、断熱パネル、樹脂形材。空隙のあるものはどれも 167 kg/m³ を余裕で下回ります。嵩高貨物を輸出しているなら、容積重量は例外ケースではありません。それが標準の請求基準です。

海上輸送も数字が違うだけで同じゲームです

海上 LCL は 6000 の除数を使いません。W/M(重量または容積)で請求します。LCL 貨物では 1 CBM を 1,000 kg(1 メートルトン)とみなし、キャリアは両方で計算して高いほうを請求します。

先ほどの 100 × 60 × 30 cm の箱は 0.18 CBM です。20 kg なら 0.02 メートルトン。容積が 9 倍で勝つので、0.18 レベニュートンで請求されます。工業製品は 1,000 kg/m³ をはるかに下回るため、鋼材や石材でもない限り、ほぼ何でも容積が勝ちます。

どの重量が、いつ効いてくるのか

尋ねてくる相手 相手が欲しい重量 理由
ランデッドコストを比較するバイヤー 正味 + 総重量 + 箱の CBM 自分で運賃を計算し直しているため
航空キャリア / フォワーダー 請求重量 総重量と容積重量の大きいほう
海上 LCL キャリア W/M レベニュートン CBM とメートルトンの大きいほう
税関 正味重量(および総重量) 輸入関税・諸税は通常、正味重量が基準のため
倉庫 / トラック事業者 総重量 法定積載制限、安全な荷役のため
コンテナ荷送人 確定総重量(VGM) IMO 規則 — 本船の過積載を防ぐため、正確なコンテナ重量を申告する

この分裂に注目してください。税金を決める数字(正味重量)と、運賃を決める数字(請求重量)は別物です。片方しか書いていないスペックシートは不完全です。

よくある混同ポイント

「総重量」には 2 つの意味があります

これが一番お金のかかるもので、しかもほとんど誰も指摘しません。

キャリアの言葉では、Maersk は総重量を、製品に包装とパレット、さらにコンテナを加えたものと定義しています。除外されるのはトラックだけです。同社の例では、200 g のコーヒー缶 8,400 個を 20 フィートコンテナに積むと、1,680 kg(コーヒー) + 300 kg(包装とパレット) + 2,280 kg(コンテナ) = 総重量 4,260 kg となります。(Maersk の標準 20 フィートコンテナの風袋は 2,280 kg / 5,030 lb、40 フィートは約 3,700 kg です。)

税関の言葉では、同じ数字にはなりません。英国税関は総重量を「貨物と包装の合計重量。ただしコンテナおよびその他の輸送機器を除く」と定義しています。同じ出荷をこの定義で通すと、申告すべき総重量は 1,980 kg です。2,280 kg のコンテナは明示的に対象外になります。

同じ出荷。どちらも正当な「総重量」が 2 つあり、その差は 2,280 kg。フォワーダーと通関業者が違う総重量を出してくるとき、たいていはこれが理由です。

関連する落とし穴がもう一つあります。英国のガイダンスによれば、輸送書類に現れるパレット重量も総重量に含めなければなりません。ただし、パレットが別建ての申告項目である場合や、輸入ライセンスが総重量を基準としている場合は除きます。

課税されるのは正味重量なので、精度は任意ではありません

輸入関税・諸税は通常、正味重量が基準です。包装は入りません。コンテナも入りません。英国税関は正味重量をキログラムで求め、小数点以下 6 桁まで受け付けます。「だいたい 15 kg」は正味重量ではありません。それは税関職員が値付けできてしまう当て推量です。

容積重量は測るものであって、量るものではありません

容積重量を出せるはかりは存在しません。それは完全に外装箱の寸法から生まれます。つまり、雑な箱の採寸は、毎回そのまま雑な運賃見積もりになります。 箱詰めして封をした状態で、実際に一番広い箇所を、膨らみも含めて測ってください。箱こそが弱点なら、重量表に手をつける前に外装箱の寸法から始めてください。

バイヤーが実際に見る場所に数字を置く

完璧な重量計算も、バイヤーが PDF を開かなければ何の価値もありません。重量をめぐる揉め事の多くは、間違った数字から始まりません。誰も見なかった正しい数字から始まります。

解決策は、文書を長くすることではありません。実測した箱の寸法と重量ブロックを、製品画像そのものに固定することです。バイヤーが質問する前に見る場所に置くのです。エッジスナップ式の寸法注釈ツールを使えば、実測した箱のサイズを写真にピン留めし、バイヤーの市場に合わせて cm とインチを併記し、各プラットフォームの規定サイズでワンクリック書き出しができます。

ここでの正確さは、商品ページのどの部分よりも重要です。決定論的なジオメトリは、実際に測ったサイズをそのまま固定します。一方で AI 生成画像は、もっともらしく見えて実際には間違っている寸法を平気で作り出します。箱の寸法の誤りは見た目の問題ではありません。それは容積重量の誤りであり、したがって請求重量の誤りであり、したがって契約上あなたが背負う見積もりの誤りです。同じ仕組みは製品画像への耐荷重の表示方法にも当てはまります。

すべての輸出スペックシートに載せるべき重量ブロック

これをスペックシートにコピーして、全行を埋めてください。空白の行は、バイヤーからのメール 1 通です。

項目 記入値 単位 備考
正味重量(1 個あたり) kg 製品のみ、包装なし
総重量(1 個あたり、包装済み) kg 正味 + 個装箱
外装箱あたりの入数 pcs
外装箱寸法(長 × 幅 × 高) cm 外寸、箱詰め・封緘後に実測
外装箱の総重量 kg
箱の容積(CBM) (長 × 幅 × 高) ÷ 1,000,000
容積重量 @ 6000 kg (長 × 幅 × 高 cm) ÷ 6000
請求重量、航空 kg 総重量と容積重量の大きいほう
パレットあたりの箱数 pcs
パレット総重量 kg パレットの風袋を含める
キャリアと確認済みの除数 5000 / 6000 見積もり前に確認する

すべてを公開すれば「輸送重量はいくつですか?」というメールのやり取りは消え、請求書が来たときにも見積もりを守れます。同じ論理が、強い輸出見積書を支えています。重量ブロックは、バイヤーが真っ先に検算する部分です。

送信前チェックリスト

  • 正味重量は包装を外して実測した。逆算していない
  • 総重量を明記し、パレットを含むかどうかも記載した
  • 通関業者が必要とする「総重量」がどちらか把握している(コンテナ除外)
  • 外装箱は箱詰め・封緘後、一番広い箇所で測った
  • 除数をフォワーダーと書面で確認した。6000 と決めつけていない
  • 請求重量 = 総重量と容積重量の大きいほう、運賃はそれで見積もった
  • CBM を箱あたり・パレットあたりで明記した
  • すべての数値に単位(kg/lb、cm/in)を付けた
  • 重量と寸法が PDF の中だけでなく、製品画像に載っている

重量の誤りは運賃以上のコストになります。揉め事、受け取り拒否、返品を引き起こし、それぞれに独自の利益計算がついてきます。返品コスト計算ツールは、そのうちの一件が 1 件の注文からいくら奪うのかを数字にします。

よくある質問

総重量と正味重量の違いは何ですか?

正味重量は貨物そのもの、総重量は貨物に包装を加えたものです。総重量 = 正味重量 + 風袋重量で、風袋とは空の段ボール箱、パレット、コンテナを指します。厄介なのは範囲です。キャリアは輸送用コンテナを総重量に含めますが、英国税関は総重量を貨物と包装、ただしコンテナを除いたものと定義しています。その数字がどちらの定義で作られたのかを、必ず確認してください。

航空貨物の請求重量はどう計算しますか?

両方の重量を計算し、高いほうを取ります。容積重量(kg) = (長さ × 幅 × 高さ、単位 cm) ÷ 6000 で、IATA の標準除数を使います。これを実際の総重量と比較し、大きいほうが請求重量です。100 × 60 × 30 cm の箱なら容積重量は 30 kg なので、50 kg の箱は 50 kg で、20 kg の箱は 30 kg で請求されます。まずキャリアの除数を確認してください。5,000 を使うところもあり、同じ箱でも請求額が高くなります。

容積重量と体積重量は同じものですか?

同じです。容積重量、体積重量、DIM ウェイト、ボリュームウェイトは、すべて同じものを指します。価格をつけられるように、出荷貨物の空間をキログラムに換算したものです。呼び方は地域とキャリアで変わりますが、仕組みは同一です。キャリア間で変わるのは名前ではなく、除数です。

出荷の実重量より運賃請求額が高いのはなぜですか?

貨物が損益分岐の密度より軽いため、容積重量で請求されたからです。IATA の 6,000 の除数では、およそ 167 kg/m³ を下回るものは質量ではなく空間で請求されます。5,000 ではその閾値が 200 kg/m³ に上がります。1 CBM を 1,000 kg として扱う海上 LCL では、ほぼすべての工業製品が容積で請求されます。嵩張る軽量品は箱の中の空気に対して課金されます。これはエラーではなく、設計どおりに動いている仕組みです。

輸出スペックシートにはどの重量を書くべきですか?

4 つすべてを、ラベルを付けて書きます。正味重量、総重量(包装済み)、CBM 付きの箱寸法、そして自社キャリアの除数で計算した容積重量です。ランデッドコストを計算し直すバイヤーには正味と総重量が要り、運賃を見積もる人には寸法と容積重量が要り、税関には正味重量が要ります。1 つだけ公開して残りをメールに委ねること。それが、総重量・正味重量・容積重量が注文ではなく揉め事に変わる経路です。

出典・参考資料

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