商品画像の文字サイズは、ほとんど誰も測らない数字によって決まっています。買い手が実際に目にするタイルの大きさです。書き出した 1600 px ではなく、検索一覧に並ぶ爪ほどの大きさの正方形。小売各社は、スマートフォン上で商品タイルをおよそ 16 x 16 mm で表示するよう推奨されています。あなたの寸法ラベルが実際に刷り込まれるのは、そのサイズの紙面です。
6つの思い込みが、売り手に間違った紙面を前提とした設計をさせ続けています。どれにも公表された反証があります。日用品ブランドは何年も前にこの問題を解き終えていて、そのルールを文書として残しているからです。
ルールの出所を先に書いておきます。Mobile Ready Hero Image(モバイル対応ヒーロー画像)の取り組みを進めたのは日用品メーカーと小売各社なので、例に出てくるのはシャンプーのボトルやドッグフードです。ただ、物理はカテゴリーを選びません。16 mm のタイルを目を細めて見ている買い手は、洗剤パックの使用回数が読めないのと同じように、あなたのソファの座面奥行きも読めません。
誤解1:サイズが知りたければ買い手が拡大してくれる
してくれます——クリックしたあとなら。ただ、クリックが起きるのは一覧画面で、そこにはまだ拡大機能が存在しません。
この順番がすべての論拠です。「拡大できるから小さい文字でいい」という擁護は、他の11件の中からすでにあなたの商品を選んだ買い手を前提にしています。その比較で、サイズが分からないという理由で負けていたら、拡大機能は一度も使われません。可読性は、商品ページの問題の顔をした集客入口の問題です。
誤解2:1600 px あれば文字は読める
ピクセルは保存量であって、寸法ではありません。読めるかどうかを決めるのは物理的な画面上での表示サイズで、その数字は売り手が思っているよりはるかに小さいものです。
Mobile Ready Hero Image のガイダンスは、小売各社に対しておおよそ次の表示サイズでタイルを出すよう求めています。
| デバイス | 推奨される表示タイルサイズ | だいたいの目安 |
|---|---|---|
| スマートフォン | 16 x 16 mm | 爪ひとつ分 |
| タブレット | 23 x 23 mm | 切手1枚 |
| デスクトップ/ノートPC | 50 x 50 mm | クレジットカードの短辺 |
「では大きくすればいい」と単純に書かない理由も明記されています。タイルを大きくすると一覧ページを素早くスクロールする体験が損なわれ、小さくすると図で何かを伝えることが不可能になり、買い手は商品名を読む作業に戻される——画像を眺めるより遅く、手間もかかる、というわけです。
つまり制約は動きません。好むと好まざるとにかかわらず、設計対象は 16 mm です。1600 px のファイルが 16 mm に落とし込まれる時点で、誰かが読む前におよそ2桁分の縮小がかかっています。商品画像の文字サイズは、編集画面のキャンバスではなく、この表示後のタイルを基準に決める必要があります。フレーミング自体も先に整えておきたいところです。寸法を入れた側をプラットフォーム側にトリミングされる話は商品画像のアスペクト比にまとめています。
誤解3:コントラストが強ければ小さい文字でも問題ない
コントラストと文字サイズは独立した2つの失敗経路で、片方を直してももう片方は救えません。
EC 画像のテキストについては、公表されている基準値が具体的です。APCA(知覚的コントラストアルゴリズム)のスコアは通常 60 を超えること、最低ラインは 45。GS1 のヒーロー画像ガイドラインは、アクセシビリティの下限として W3C の最低コントラスト比 4.5:1 を参照しています。配色は色覚特性のある買い手にも成立する必要があり、これによって、自分の目には高コントラストに見える組み合わせがいくつも脱落します。
コントラストは必要条件です。十分条件ではありません。16 mm で小さすぎる文字は、コントラスト比をいくら上げても読めません。失敗しているのは輝度ではなく角度分解能だからです。
誤解4:細くて上品な書体は高級に見える
100% 表示なら高級に見えます。16 mm で、しかも JPEG の中では、消えます。
書体についての記述は、標準文書としては珍しいほど断定的です。
| 項目 | ガイダンスの記述 |
|---|---|
| ウェイト | セミボールドかボールドが最も読みやすいことが多い——極細と極太は避ける |
| 書体のスタイル | Open Sans や Arial のようなサンセリフ体を使う。装飾的・意匠的な書体やセリフ体は小さい画像で崩れやすく、小売各社が通常 .jpg 形式を使うため特に避ける |
| 文字の背面 | きれいに保つ——グラデーションは使わない、柄の上に文字を置かない |
| 効果 | 縁取りとドロップシャドウは使わない |
極太も「避ける」側に入っている点に注意してください。ウェイトが重すぎる書体は縮小時に自らのふところを潰し、潰れた 8 は 0 に読まれます。寸法ラベルにとって、これは見栄えの問題ではありません。数字が違う、という問題です。
誤解5:注記が多いほど情報量が増える
紙面は狭く、すべての要素がその場所を奪い合っています。買い手が必要としているメッセージを運んでいない要素は、運んでいる要素から場所を奪っているだけです。
ヒーロー画像の標準はこの点で容赦がありません。4つの重要メッセージ、いわゆる "4Ws"——Who(ブランド)、What(商品カテゴリー)、Which(バリエーション)、HoW much(内容量)——を定義し、それ以外はすべて削除候補として扱います。自動判定のルールはさらに踏み込んでいて、パッケージ外に置いてよい要素は右下隅の黒い正方形のサイズロゼンジだけ。浮いたテキストは不可、他のパッケージ外要素も不可、パッケージの境界をはみ出すものも不可、背景は白。同一商品の複数アングルを並べることも避けるよう明記されています。視覚的に邪魔になるうえ、何個届くのかを買い手に誤解させかねないからです。
これを仕様図に置き換えると、優先順位は居心地は悪いものの明快です。買い手が読める寸法1つは、読めない寸法6つに勝ちます。難しいのはむしろ、どのラベルがその場所に見合うかを決める側で、その選び方は商品写真の寸法注記で扱っています。
誤解6:サイズをどこに置くかは大した問題ではない
大した問題です。しかも理由は美観ではありません。
ガイダンスはパッケージ外のサイズ情報を右下隅に置くよう定め、理由を2つ挙げています。1つ目は一貫性。同じカテゴリーのどの画像も同じ位置にサイズを置いていれば、買い手は探さなくても見る場所が分かります。2つ目は幾何。右下は縦長・横長どちらの商品形状とも両立する唯一の位置です。他の場所は片方の向きでは機能しても、もう片方では商品と重なります。
背の高い SKU とぶつかって寸法ラベルを3回動かした経験があるなら、そのときあなたは、このルールを最も手間のかかる方法で再発見していたことになります。
16 mm テスト:60秒で終わります
自分の画像が通るかどうかを知るのに、研究予算は要りません。方法は2つあります。
物理版。 画像を 16 x 16 mm で印刷し、40 cm 離して持ちます——通常のスマートフォンの視距離です。読めないものは、載っていないのと同じです。
デジタル版。 GS1 のガイドラインはシミュレーション方法を直接指定しています。3000 x 3000 ピクセルの画像に半径 34 pixels のガウスぼかし(Gaussian blur)をかける、というものです。このぼかし量は、40 cm 離してモバイル端末を持って見た状態を表すよう較正されています。ぼかした画像をモニターで確認し、ぼかし後に読めない寸法があれば、それは実際の買い手のかなりの割合にとっても読めない寸法です。
この用途に作られたライセンス製品もあります。同じケンブリッジ大学のグループによる Clari-Fi で、シングルユーザーライセンスが £263 と付加価値税。大手ブランドはこれをレビュー工程ではなく通過ゲートとして使っています。Unilever のグローバル EC ディレクターは 2022年10月 に、新規または更新した EC 画像はすべて小売各社へ送る前に Clari-Fi のチェックを通す必要があり、3年間で 30,000 点を超える商品画像を通したと述べています。小規模な売り手にとっては、手作業のぼかしで十分に代替できます。大事なのは、返品が返ってきたあとではなく、画像を出す前にこのチェックを実行することです。
この分野では珍しく、結果が数値化されています。AA レベルの明瞭性チェックに落ちる画像は、買い手の 46% 超がその中の重要情報を知覚できないことを意味します。ガイダンス自身の検証例では、通常のパッケージ写真が「どの種類か」と「どれだけ入っているか」で不合格となり、それらのメッセージを知覚しづらい人の割合は 52% から 100% の範囲に収まりました。
急所はここです。寸法ラベルがぼかしテストに落ちたなら、あなたが公開したのは寸法ではありません。装飾です。
読まれなかった寸法にいくらの値段が付くのかという話であれば、サイズ違いの返品は往路の送料、返送料、検品、再梱包、そして多くの場合その1点の粗利まで持っていきます。1点あたりの金額は返品コスト計算ツールで出せます。
商品画像の文字サイズ:タイルを生き延びる作り方
| 要素 | 16 mm を生き延びる処理 | 台無しにするもの |
|---|---|---|
| 寸法の数字 | 画像内で最大の文字。セミボールドのサンセリフ。1枚につき単位系は1つ | 説明文と同じ大きさに揃えた数字 |
| 単位(cm、in、mm) | 数字と同じウェイト。上付きにはしない | 数字に溶けるスモールキャップや上付きの単位 |
| 寸法線と矢印 | 縮小に耐える線幅。実線で高コントラスト | 縮小で消える 1 px のヘアライン |
| 注記への引き出し線 | 短く、まっすぐ、交差させない | 情報量の多い写真を横切る長く細い引き出し線 |
| サイズロゼンジ | ベタ塗りのブロック。右下隅。シリーズ全体で統一 | 背景のない浮いたテキスト |
| 文字の下の背景 | 画像内の平坦できれいな面 | グラデーション、柄、商品のテクスチャー |
| 補助的な販促コピー | 削除するか、2枚目の画像へ移す | サイズ適合を売る数字と注意を奪い合うもの |
ほとんどは2つのルールで片付きます。寸法は画像内で最大の文字であるか、さもなければその画像の主題ではないか、どちらかです。そして、重要メッセージに含まれない要素はすべて、含まれる要素から場所を借りています。
よくある質問
商品画像の文字は何ptにすればよいですか
16 mm のタイルを生き延びる大きさです。商品画像の文字サイズは固定のピクセル値ではなく、テストの結果として決まります。表示サイズは画像のピクセル数と画面の画素密度の両方で変わるため、「48 px にする」といった単一の答えは半数の端末で外れます。文字を組み、較正された強度で書き出し画像をぼかし、重要な数字が読める状態を保てるところまで段階的に大きくしてください。
買い手は寸法を読むために拡大してくれますか
一部の人は、クリックしたあとに拡大します。問題は、クリックするかどうかが検索一覧の段階で決まっていて、そこには拡大機能がないことです。拡大しないと機能しない文字は、自分の商品が選ばれるかどうかに何も寄与しません。
商品画像のテキストにはどれくらいのコントラストが必要ですか
APCA スコアで 60 超を狙い、45 を下限として扱い、従来からの 4.5:1 のコントラスト比をアクセシビリティの基準線として維持してください。あわせて色覚特性での見え方も確認します。緑地に赤の数字は比率を満たしていても、相当数の買い手には見えないことがあります。
サイズは画像の隅に置いてもよいですか
問題ありません。右下隅が推奨位置です。縦長・横長どちらの商品でも機能する唯一の隅であり、すべての画像で同じ位置に置けば、買い手は探さずに見つけられます。
仕様図がぼかしテストに落ちました。最短の直し方は
撮り直しは不要です。写真自体はたいてい問題なく、原因は注記レイヤーにあります。最短経路は、寸法を JPEG に焼き込まず、実測した製品のエッジに紐づいた編集可能なライブレイヤーとして保持することです。そうすれば、文字を大きくし、線を太くし、装飾的なラベルを外し、各プラットフォームの画像仕様に合わせて書き出す作業を一度に通せます。実形状に対して測り、必要なときに再書き出しできる——この点が、注記ソフトウェアと写真編集ソフトの違いであり、測っていない数字をもっともらしく描き出す画像生成ツールとの違いでもあります。手段を比較検討しているなら、商品写真に寸法を入れるツール比較がまさにこの観点で並べています。
出典・参考資料
- GS1 — Mobile Ready Hero Images ガイドライン:4Ws、較正済みガウスぼかし検査(3000 x 3000 の画像に半径 34 pixels、視距離 40 cm)、および 4.5:1 のコントラスト参照値
- GS1 — Mobile Ready Hero Images(現行標準のページ)
- ケンブリッジ大学 Inclusive Design Toolkit — Mobile Ready Hero Images における文字と数字の推奨サイズ:APCA の目標値、ウェイトと書体の指針、46% という数値
- Inclusive Design Toolkit — モバイルで最適な大きさに画像を表示する:スマートフォン 16 x 16 mm、タブレット 23 x 23 mm、デスクトップ 50 x 50 mm
- Inclusive Design Toolkit — 視覚的明瞭性テスト:ぼかしがサムネイル表示をどう再現するか、および AA チェックレベル
- Inclusive Design Toolkit — ヒーロー画像の効果に関する根拠:パッケージ写真の検証例と 52% から 100% という知覚困難率の幅
- Inclusive Design Toolkit — サイズ情報の見せ方:パッケージ外サイズロゼンジは右下配置
- W3C — WCAG 達成基準 1.4.5「文字画像」の解説
