アルミフレームの溝幅は、顧客が実際に必要としている数字であり、そして「2020」という呼び方が唯一伝えてくれない数字です。バイヤーが 2020 プロファイルを発注し、それに合わせて T ナットを手配し、いざ現場でナットが溝に入らない — あるいは入っても空回りする。誰も違う品物を送ったわけではありません。発注書が棒材の外側だけを記述し、溝については何も語っていなかった、それだけです。
多くのカタログが飛ばしている点があります。T スロットフレームには、そもそも公表された規格が存在しません。 このシステムをまとめた参考資料が述べるとおり、体系を定義した公表規格はなく、各メーカーがたまたま合意している「一連の慣用寸法」によって成り立っています。慣習は仕様ではありません。そのギャップがクレームに変わる場面が、次の 5 つです。
失敗 1:「2020」を外形寸法ではなく仕様として扱う
よくある対応: 発注書に「2020 アルミプロファイル、6 m、20 本」と書いて、品目が定義できたと考える。
なぜ失敗するか: 2020 が意味するのは 20 × 20 mm の正方形断面、それだけです。アルミフレームの溝幅も、肉厚も、コーナー形状も、内部の下穴も、合金と質別も、何ひとつ確定しません。2 社のメーカーが発注書どおりのものを出荷して、互換性のない 2 本の棒材が届く、ということが起こり得ます。
対処法: シリーズ番号はファミリー名として扱い、溝は別項目で指定します。20 シリーズの溝は公称 6 mm で、Wellste は実測 6.2 mm を公表しています(2020・2040・2080 共通)。30 シリーズと 40 シリーズは 8 mm、45 シリーズは 10 mm が一般的です。この「一般的」という語が実質的な仕事をしていて、それこそが問題の本体です。
| シリーズ | 断面 | 一般的な溝幅 | それでも変動する項目 |
|---|---|---|---|
| 10(インチ系) | 1 in | 約 0.256 in | 肉厚、コーナー R、締結方式 |
| 20 | 20 mm | 6 mm(実測 6.2 mm) | 肉厚、溝断面形状、コーナー |
| 30 | 30 mm | 8 mm | 肉厚、溝断面形状、コーナー |
| 40 | 40 mm | 8 mm | 肉厚、溝断面形状、コーナー |
| 45 | 45 mm | 10 mm | 肉厚、溝断面形状、コーナー |
失敗 2:同じシリーズなら肉厚も同じだと思い込む
よくある対応: 「8080 プロファイル」の 2 社見積もりを 1 m あたりの単価で比べ、安いほうを選ぶ。
なぜ失敗するか: その 2 本は同じ製品ではありません。8080 では、欧州系の断面が肉厚 7 mm・8.33 kg/m、中国国内系の断面が肉厚 5 mm・6.46 kg/m で、外形寸法が同一のまま金属量に 29 % の差があることが記録されています。バイヤーには同じ「8080」が 15 % 安く見えるので、より良い仕入先を見つけたと思い込みます。
対処法: シリーズ番号ではなくメートルあたり質量で見積もり、購入します。kg/m は、体裁を整えることも丸めることも解釈し直すこともできない唯一の数字で、断面にアルミがどれだけ入っているかの直接的な指標であり、薄肉品への置き換えを即座に暴きます。見積書、図面、パッキングリストに kg/m を載せてください。
これは 板金ゲージと mm の換算 と同じ失敗パターンです。そこでは古い番手が板厚そのものとして扱われていました。ファミリーを表す呼称が、実測値として読まれているわけです。
失敗 3:アルミフレームの溝幅が確定する前に締結部品を発注する
よくある対応: プロファイルを 1 社から、T ナット・ブラケット・エンドキャップを別の会社から、シリーズ番号だけを頼りに発注する。
なぜ失敗するか: 8 mm 溝用に切られた T ナットは 6 mm 溝には入りませんし、回避策もありません。削って合わせることはできませんし、大きい溝に小さいナットを入れれば、荷重がかかったときに食いつかずに回ってしまいます。さらに悪いことに、2 つの系統は締結方式そのものが違います。国内系のプロファイルは通常、四角ナットとキャップボルトを使い、欧州系はハンマーヘッドボルトや専用形状のナットを使います。
対処法: 金物の発注を出す前に、次の 3 点をこの順で確定します。
- 溝幅(mm)。シリーズから推測するのではなく、実測値で
- 溝の断面形状 — 平行溝か台形の T スロットか。公称幅が同じでも入るナットが違います
- プロファイルが前提としている締結部品のファミリー
この 3 つに答えられないバイヤーは、フレームシステムをまだ指定できていません。輪郭を指定しただけです。
失敗 4:コーナー形状を無視する
よくある対応: 40 × 40 のプロファイルなら、どの 40 シリーズ用パネルガスケット、コーナーブラケット、エンドキャップでも付くと考える。
なぜ失敗するか: 2 つの系統はコーナーの作り方が違います。国内系はほぼ直角のコーナー、欧州系は明らかに大きなコーナー R を持ちます。この R は、パネル押さえが何に当たるか、エンドキャップがどれだけ面一に収まるか、コーナーブラケットが平面に当たるのか曲面に乗るのかを変えます。
対処法: 図面にコーナー R を寸法として入れ、パネル溝の深さを明記します。この 2 行で「付属品が合わない」という種類のメールがまるごと消えます。そして、それはシリーズ番号には絶対に含まれていません。
失敗 5:スケール感のない写真で売る
よくある対応: カタログページにきれいなレンダリングや切断面の写真を載せ、仕様はその下の PDF に入れておく。
なぜ失敗するか: 押出プロファイルは、製品カテゴリーの中でもっともスケール感が伝わらないものです。2020 と 4040 を真正面から撮れば、ズーム倍率が違うだけの同じ絵になります。マーケットプレイスの出品を眺めているバイヤーには、画像から溝幅も肉厚もコーナー R も判断できません。だからタイトルの数字で判断します — そしてその数字は、これまで見てきたとおり仕様ではありません。
対処法: 切断面のビューそのものに 4 つの数字を、それが表す形状に寸法として載せます。外形寸法、溝幅、肉厚、コーナー R、そして隅に kg/m。ここでは仕組みが効いてきます。これらの注記は実際の断面形状から実測され、本物のエッジに固定され、バイヤーのカタログやマーケットプレイスが要求するサイズで書き出される必要があります。それは商品写真のレタッチとは別の仕事であり、画像生成ツールとはさらに別物です。画像生成ツールは、一度も測っていない溝に自信たっぷりの「8 mm」を書き込みます。プロファイルの出品ページでは、でっち上げた数字と検証済みの数字は、T ナットが届くまで見分けがつきません。
議論を終わらせる仕様ブロック
上の 5 つの失敗は、プロファイルをシリーズ番号ではなく次の 8 項目で記述すれば、いずれも消えます。
- 外形断面(mm × mm)
- 溝幅(mm、実測) — そして溝の本数と、どの面にあるか
- 溝の断面形状:平行溝か台形 T スロットか
- 肉厚(mm)
- メートルあたり質量(kg/m) — 置き換えを防ぐ数字
- コーナー R(mm)
- 合金と質別(例:6063-T5)、表面処理と皮膜厚さ
- 前提とする締結部品ファミリー(ハンマーヘッドボルト / 四角ナット / 専用品)
見積書に 1 行で書くとこうなります:40 × 40 mm、8 mm 台形 T スロット ×4、肉厚 2.0 mm、1.62 kg/m、コーナー R2、6063-T5 アルマイト 10 µm、ハンマーヘッドボルト方式。 この一文には、二通りに解釈して納品できる余地がありません。
次のステップ
押出プロファイルを輸出市場に売っているなら、手戻りをもっとも減らせる順序はこうです。
- 見積書の全行に kg/m を入れる。 コストはゼロで、薄肉品への置き換えが受注前に見えるようになります(受注後ではなく)。一度痛い目に遭ったバイヤーは、あなたが kg/m を公開していることに気づきます。
- ファミリー単位ではなく SKU 単位で、寸法入りの切断面図を公開する。 「40 シリーズ」で 1 枚、という運用がそもそもの原因です。
- 問い合わせを待たず、見積もりと同時に図面を送る。 溝幅はこのカテゴリーでもっとも繰り返される事前質問で、画像の中で答えてしまえばやり取りが終わります。
- 締結部品ファミリーを明示する。 販売先の地域から自明に思えても書きます。3 か国から調達しているバイヤーには自明ではありません。
ステップ 2 と 3 で実務的に必要なのは、数字が実際の形状から来ている仕様画像です — 実測したエッジに寸法をスナップさせ、各数字が何を測ったものかを明示し、出品サイズで書き出す。SKU ごとに 1 時間を投じる前にコスト側を把握したいなら、返品コスト計算ツール が、金物の不適合による手直し 1 件が受注利益からいくら奪うのかを算出します。また、フレーム材ではなく構造材の場合も、輸出向け鋼材断面寸法 の断面注記に同じ規律が当てはまります。
よくある質問
2020 アルミフレームの溝幅は何 mm ですか?
公称 6 mm で、公表されている実測値は 6.2 mm 前後です。ただし 2020 が保証するのは 20 × 20 mm の外形断面だけで、溝幅は別項目の仕様であり、すべてのメーカーを同じ値に揃えさせる公表規格は存在しません。T ナットを発注する前に、実測の溝幅を mm で確認してください。
40 シリーズのアルミプロファイルはすべて互換ですか?
いいえ。2 本の 40 × 40 プロファイルは、溝幅、溝形状(平行溝か台形 T スロットか)、肉厚、コーナー R、締結方式で違い得ます。シリーズ番号が表すのは外形の正方形だけです。互換性はメーカー間の慣習であって、規格ではありません。
同じ 8080 プロファイルなのに、2 社の見積もり価格が違うのはなぜですか?
たいていは、棒材に入っているアルミの量が違うからです。欧州系の 8080 は肉厚 7 mm で 8.33 kg/m、国内系は 5 mm で 6.46 kg/m。外形が同じまま金属量が 29 % 違い、それが価格差の大半です。kg/m で比べれば、見積もりの不思議さは消えます。
平行溝と T スロットの違いは何ですか?
平行溝は側壁が平行です。台形の T スロットは開口部に向かって狭くなっており、専用形状のナットを挿入してから回転させ、リップの裏側でロックできます。両者は入る締結部品が違い、前者は四角ナットとキャップボルト、後者はハンマーヘッドボルトや専用形状のナットを使います。開口部の幅が同じでも、です。
8 mm の T ナットは 6 mm の溝に入りますか?
入りませんし、回避策もありません。ナットが物理的に入らないのです。逆のケース、つまり 8 mm 溝に 6 mm ナットのほうが実務上は厄介です。入ってしまい、合っているように見え、荷重がかかるとリップを掴まずに回転します。シリーズ番号ではなく、実測した溝にナットを合わせてください。
