カートンサイズ(外装箱の寸法)は、単価の話に入る前にバイヤー側のフォワーダーがまず確認してくる数字です。そして、サプライヤーの見積書で一番抜けやすい項目でもあります。マスターカートン(外装箱)は複数の内箱や製品をまとめる外側の輸送箱で、その外寸と総重量が運賃見積、コンテナの積載計画、そして着荷先の倉庫が追加料金なしで受け入れるかどうかを決めます。1項目欠けても商談は流れませんが、止まります——同じ数字を3人が別々にメールで聞いてくる、という形で。
梱包仕様は、バイヤー、フォワーダー、着荷倉庫の3者が読む同じ1組の数字です。1桁間違えれば、3者全員から連絡が来ます。
この記事では、見積書や仕様書にそのまま貼れる梱包欄のテンプレート、各項目の書き方、そしてバイヤーに検算される前に自分の数字を確かめるためのコンテナ計算をまとめます。
カートンサイズ記入テンプレート(コピペ可)
この表を見積書、仕様書、カタログページに貼り、SKUごとに埋めてください:
| 項目 | 記入例 | 単位 |
|---|---|---|
| 製品型番 / SKU | LC-2041 ラウンジチェア | — |
| 内箱あたり入数 | 1 | pcs |
| 外装箱あたり内箱数 | 2 | ctns |
| 外装箱あたり入数 | 2 | pcs |
| カートンサイズ(L × W × H、外寸) | 60 × 40 × 50 | cm |
| 1カートンあたりCBM(容積) | 0.120 | m³ |
| 総重量(GW) | 14.5 | kg |
| 正味重量(NW) | 12.8 | kg |
| 20GP / 40GP / 40HC 積載数(実務値) | 235 / 479 / 541 | ctns |
| カートン材質・強度 | 5層段ボール、K=K、32 ECT | — |
| パレット / 木材梱包 | ISPM-15 熱処理、1.2 × 1.0 m | — |
| 荷印(シッピングマーク) | メインマーク + サイドマーク、下記参照 | — |
12項目です。12項目すべてを受け取ったバイヤーは、その日のうちにブッキングできます。「箱サイズ:だいたい60×40×50」だけ受け取ったバイヤーは、確認メールの往復を始めます。
各項目の書き方
寸法:外寸・センチ・L × W × H の順で
運賃は箱の外側で計算されるので、組み上がったカートンの外寸を測ります——梱包が実際に膨らむなら、膨らみ込みで。単位は毎回明記してください。「60 × 40 × 50」とだけ書かれた仕様は、慎重なフォワーダーなら必ず再確認してきますし、米国のバイヤーは黙ってインチと読むかもしれません。順序は L × W × H に固定し、カタログ全体で統一します。SKUごとに順序がばらばらだと、積載計画が8%足りなくなるのはこういうときです。
内箱と外装箱:同じでも両方書く
内箱は中に入る販売単位・ハンドリング単位で、外装箱はコンテナに積まれる箱です。内箱なしで1個1箱の製品なら、それを明示的に書きます(「1 pc / カートン、内箱なし」)。行が無いのは曖昧さであって、情報ではありません。マーケットプレイス向けに再梱包するバイヤーは内箱の寸法も気にします。フルフィルメントセンターのサイズ区分を通るかどうかは、そこで決まるからです。
CBM(容積):外寸から、小数3桁で
CBM(立方メートル)= L × W × H(メートル換算)。例のカートンなら 0.60 × 0.40 × 0.50 = 0.120 CBM。小数3桁に丸め、カートン数を掛けて出荷全体の容積を出します。バイヤーがコンテナ容量と突き合わせるのも、混載業者が請求の根拠にするのも、この合計値です。カタログ更新のたびに、手計算を標準的な CBM calculator for sea freight でクロスチェックしてください。ここでの桁の入れ違いは、注文の全行に掛け算で効いてきます。
総重量・正味重量と、どちらの上限が先に来るか
GWは箱込み、NWは中身のみ。両方必要なのは、コンテナには容積と積載重量という2つの天井があり、どちらが先に効くかは製品次第だからです。家具は40HCの約26,000 kgの積載重量に達するずっと前に容積が埋まりますが、タイルや石材はコンテナが半分空のまま重量の壁に当たります。自社製品でどちらの天井が先かを知っていることが、「40GPに479カートン」と言えるか、フォワーダーに重量で突き返される数字を言ってしまうかの分かれ目です。
積載数:理論値ではなく実務値で
コンテナ容積をカートンのCBMで割れば理論上の最大値が出ますが、実際の積み込みではカートンの形状、パレットの隙間、ドア際のクリアランスで10–15%が失われます。実務では85–90%の充填率で計画するのが通例です。実務値で提示すれば、バイヤーがブッキング段階でギャップに気づく、ということがなくなります。
コンテナ早見表
標準ドライコンテナ3種の内容積と一般的な最大積載重量(standard container capacity references より):
| コンテナ | 内容積 | 実務容積(85–90%) | 一般的な最大積載重量 | 例:0.120 CBM カートン |
|---|---|---|---|---|
| 20GP | ~33.2 CBM | 28–30 CBM | ~28,000 kg | ~235–249 ctns |
| 40GP | ~67.7 CBM | 57–61 CBM | ~26,500 kg | ~479–507 ctns |
| 40HC | ~76.4 CBM | 65–69 CBM | ~26,300 kg | ~541–572 ctns |
容積の答えには必ず重量チェックを添えます:249カートン × 14.5 kg GW = 3,611 kg。例のチェアなら積載重量には遠く及びませんが、1箱28 kgのセラミックタイルで同じ掛け算をすると、先に来るのは重量の天井です。
ISPM-15:木材梱包の1行
パレット、木枠、ダンネージなど、貨物と一緒に木材が動くなら、木材梱包材の処理に関する国際基準 ISPM-15 の対象です。燻蒸よりも一般的なのは熱処理で、材の中心温度56°Cを30分以上保持し、IPPCマークを少なくとも対向する2面に判読できる形で刻印します。合板・OSB・パーティクルボードなどの加工材と、厚さ6mm未満の木材は対象外です。基準を満たさない木材が仕向港で見つかると、梱包材の処理・廃棄・積戻しが荷主負担で命じられます。梱包仕様に「ISPM-15 HT パレット」と1行書くだけで、この件を理解していることがバイヤーに伝わります。基準の全文は IPPC's ISPM 15 publication page、各国の採用状況は ISPM 15 overview on Wikipedia が読みやすい要約です。
数字が狂うポイント
| ミス | 結果 | 対策 |
|---|---|---|
| 内寸を外寸として記載 | 積載計画が過剰予約に。フォワーダーが再計測・再見積 | 外側を測り、「外寸」と明記 |
| 寸法に単位なし | cmがインチと読まれる(逆も) | 表のヘッダーとセルの両方に単位を書く |
| 理論上の積載数を提示 | 入りきらないカートン数で売上計画が組まれる | 85–90%の充填率で提示 |
| 梱包欄に組立後の製品寸法を記載 | まったく違う容積で運賃が見積られる | 梱包欄には梱包時寸法、製品仕様には組立時寸法——ラベルを分ける |
| GW/NWの取り違え・目分量 | 通関申告と計量値が食い違う | サンプルではなく量産の実カートンを計量 |
| 木材梱包に触れない | ブッキング時、悪ければ港でISPM-15を問われる | 1行:パレット種別 + 処理方法 |
組立時寸法と梱包時寸法の混同にわざわざ旗を立てるのは、サプライヤーが二度痛い目を見るからです。まず運賃で:「0.35 CBM」のチェアが実は0.12 CBMのフラットパックだとフォワーダーが気づくケース(面倒ですが致命傷ではありません)。次にその逆で:マーケットプレイスの商品ページに梱包時寸法が製品サイズとして載り、バイヤーには表示より小さいチェアが届く——これは返品になります。B2Bと並行してマーケットプレイスでも直販しているなら、返品コスト計算ツール で、この取り違えが100注文あたりいくらになるか数字にできます。
梱包仕様は画像の上に載せる
上のテンプレートはフォワーダーへの回答です。しかし、バイヤーが梱包情報を最初に探す場所は見積書ではなく、商品ページの6枚目の画像です。そして多くのサプライヤーの場合、その枠は空か、茶色い箱をただ写した写真です。
対策は画像1枚で済みます。実物の外装箱を撮影し、外寸・GW・入数をその写真の上に直接書き込むこと。寸法・仕様アノテーションツールを使えば、数分で写真の上に寸法線とラベルを引けます。バイヤーが必要とする数字が、メール3往復の先ではなく、いま見ている画像の上に載るわけです。見積全体をこの考え方で組み立てるサプライヤーは成約が速い——その組み立て方はスペックシートでB2B受注を勝ち取る方法に、項目ごとの書き方はバイヤーが実際に読む製品スペックシートにまとめています。
荷印もその画像に載せるべきです。実務の標準は、メインマーク(バイヤー名またはロゴ、PO番号、仕向地)を1面に、サイドマーク(カートン番号「12/235」、数量、GW/NW、外寸、原産国)を隣接面に、必要に応じてケアマークを追加。オーダーのテンプレートごとにマーク済みカートンを1枚撮っておけば、「荷印のご確認をお願いします」というメールは出荷前チェックリストから消えます。
よくある質問
内箱と外装箱(マスターカートン)の違いは何ですか?
内箱は販売単位やセットを収める小さい箱、外装箱は1つ以上の内箱をまとめる外側の輸送箱です。運賃とコンテナ積載計画は外装箱の外寸と総重量で動き、マーケットプレイスやフルフィルメントの判断は内箱の寸法で動くことが多いです。完全な梱包仕様は両方を記載します。
カートンのCBM(容積)はどう計算しますか?
外寸の縦 × 横 × 高さをメートル換算で掛け合わせます。60 × 40 × 50 cm のカートンなら 0.60 × 0.40 × 0.50 = 0.120 CBM。カートン数を掛けて出荷容積を出し、上のコンテナ表と85–90%の充填率で突き合わせます——100%では決して計算しないでください。
20フィートコンテナには何カートン入りますか?
約33.2 CBMをカートンのCBMで割り、その85–90%を取ります。0.120 CBMのカートンならおよそ235–249カートンです。重量側の確認も忘れずに:カートン数 × 総重量が約28,000 kgの積載重量に収まる必要があり、重量物では容積より先に重量の天井が来ます。
輸出用パレットはすべてISPM-15処理が必要ですか?
国際輸送される無垢材のパレット・木枠・ダンネージは、主要な貿易国のほとんどでISPM-15処理とIPPCマークが必要です。合板やOSBなどの加工材、厚さ6mm未満の木材は対象外です。判読できるマークがない木材は、仕向港で処理・廃棄・積戻しを荷主負担で命じられることがあります。
