階段の蹴上げと踏面の寸法は、現場で二度チェックされます。一度は法規の限度値と照らして、もう一度は各段どうしを照らし合わせて。プレハブ階段を見積もる側は、最初のチェックはほぼ全員が通ります。落ちるのは二つ目——同じ階段(フライト)の中で、どの蹴上げも他の蹴上げと 3/8 インチ(9.5 mm)を超えて違ってはならない——という条件で、しかもたいてい最上段で落ちます。その原因は、階段がどう製造されたかとはまったく関係がありません。
以下は、輸出される階段・踏板・手すり工事の大半を占める四つの市場の対照表です。そのあとに均一性のルール、残りの寸法条件、そして階段を一発で通すために施工図に載せるべき内容を続けます。
市場別に見る階段の蹴上げ・踏面寸法の限度値
数値はいずれも直進階段が前提です。回り段、らせん階段、バリアフリー経路には追加の規定があります。
| 市場 / 法規 | 蹴上げの最大値 | 踏面の最小値 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 米国・住宅 —— IRC R311.7 | 7¾"(196 mm) | 10"(254 mm) | 踏面が 11" 未満の場合は段鼻が必須 |
| 米国・商業 —— IBC | 7"(178 mm) | 11"(279 mm) | 両方とも住宅より厳しい |
| 英国 —— Approved Document K、専用階段 | 220 mm | ゴーイング(有効踏面)220 mm | 勾配は最大 42°、2R+G が 550–700 mm に入ること |
| 中国 —— GB 50352-2019、住宅の共用階段 | 175 mm | 260 mm | 一般的な住宅階段 |
| 中国 —— GB 50352-2019、住戸内階段 | 200 mm | 220 mm | 一住戸の内部 |
| 中国 —— GB 50352-2019、保育所・幼稚園 | 130 mm | 260 mm | 表中で最も厳しい蹴上げ |
| 中国 —— GB 50352-2019、高齢者介護系の公共建築 | 130 mm | 320 mm | 表中で最も深い踏面 |
言い争いを減らせる観察が二つあります。
米国の住宅基準を満たす階段は、たいてい中国の住宅基準を満たしません。 蹴上げ 196 mm は IRC では合法ですが、GB 50352 の共用住宅階段の限度値を 21 mm 超えています。蹴上げは、市場をまたいで持ち込めない寸法です。
英国の 2R+G が、他国の基準を静かに裏づけています。 Approved Document K は、蹴上げの二倍にゴーイングを足した値が 550 mm から 700 mm の間に収まることを求めます。表の他の行を当てはめてみると、IRC の 196/254 で 646 mm、IBC の 178/279 で 635 mm、GB 50352 の住宅共用 175/260 で 610 mm。三つとも英国の帯の中に入ります。各国の法規は個別の限度値では折り合いませんが、その下にある「歩きやすい幾何」では一致している——非標準の蹴上げで見積もりを求められたとき、これは使える確認方法です。
3/8 インチのばらつきルール
IRC では、同じ階段内で最も高い蹴上げが最も低い蹴上げを 3/8 インチ(9.5 mm)を超えて上回ってはならないとされ、同じ公差が踏面にも適用されます。中国の GB 50352-2019 第 6.8.11 条は表現がさらに厳格で、同一階段内の蹴上げ高さと踏面幅は一致させなければならず、隣り合う階段どうしも一致させることが望ましいとしています。
このルールがあるのは、人が二段目からは筋肉の記憶で階段を上るからです。全段が一様に高い階段は危険ではありませんが、一段だけ 15 mm 高い蹴上げはつまずきの原因になります。
何も間違っていないメーカーが噛まれる理由はここです。最上段と最下段が、仕上げ床の厚みを吸収してしまいます。
階段は、二つの構造面の間で測った総高さに合わせて製作されます。ところが現場が上階の踊り場に 12 mm の複合フローリングを敷き、下階はモルタル金ごて仕上げのまま残したとすると、最上段だけが 12 mm 低くなり、他の段は製作どおりのままです。9.5 mm の公差に対して 12 mm のばらつき——完璧に製作された階段が検査に落ちます。
防御策は契約上のものであり、図面に載せるべきものです。
- 見積もった総高さが仕上げ床から仕上げ床までなのか、構造スラブから構造スラブまでなのかを明記する。この一行で、この種の紛争の大半は防げます。
- 両階の想定床構成を、注記ではなく寸法として図示する。
- 段数と、計算した一段あたりの蹴上げ高さを小数第一位まで明記し、打設前に現場が検算できるようにする。
- どちらかの床仕上げが変われば階段の寸法を取り直す必要がある旨を明示する。
総高さを段数で割った値は割り切れなければなりません。最上段に 8 mm 残る、というものは存在しません。必ず配分される必要があり、9.5 mm 以内で配分できないなら段数のほうを変えます。
残りの寸法条件
蹴上げと踏面は、誰もが見積書に書く二つの数字です。残りの不合格は、以下の寸法から出ます。
| 寸法項目 | IRC(米国住宅) | 英国 ADK(専用) | GB 50352-2019 |
|---|---|---|---|
| 頭上高さ | 6'8"(2,032 mm) | 2,000 mm | 階段部分 2,200 mm、踊り場 2,000 mm |
| 手すり高さ | 34–38"(864–965 mm) | — | 段鼻ラインから 900 mm 以上、水平部が 500 mm を超える場合は 1,050 mm 以上 |
| 手すり子の開口 | 4"(102 mm)の球 | 100 mm の球 | 子どもが使う階段室で 200 mm を超える場合は落下防止措置 |
| 段鼻 | 踏面が 11" 未満の場合 ¾"–1¼" | — | — |
| 1 階段あたりの段数 | — | — | 3 段以上、18 段以下 |
| 回り段・らせん段の踏面 | — | — | 内側手すり中心から 250 mm の位置で 220 mm 以上 |
GB 50352 の頭上高さ 2,200 mm は、輸入側が最もよく引っかかる数値です。IRC より 170 mm 大きいうえ、最下段と最上段を含むすべての段の段鼻ラインから測り、さらにその先 300 mm まで確保する必要があるからです。
輸出階段が実際に落ちるところ
クレームが供給側まで届く頻度の順に並べます。
- 総高さの基準面が誤っている —— 上で述べた仕上げ床の問題です。3/8 インチ不合格の大半はこれが原因です。
- 出荷元では合法、出荷先では違法な蹴上げ。 蹴上げ 190 mm を中国の住宅案件に出す、英国仕様の 220 mm を米国の商業内装に出す、といったケースです。
- 踏面の測り方が違う。 踏面は段鼻から段鼻まで測るもので、板そのものの物理的な幅ではありません。250 mm の板に 25 mm の段鼻をかぶせた場合、踏面は 250 mm であって 275 mm ではありません。逆の間違いをすれば仕様書の数値が水増しされます。
- 実際の天井に対して頭上高さを確認していない。 蹴上げの規定をすべて満たしていても、梁をかすめる階段は不合格です。
- 手すりの連続性と延長部 —— 階段部分は丁寧に描かれ、踊り場で忘れられるのが定番です。
1 番と 3 番はどちらも測定基準の問題で、窓・ドアにおけるラフ開口と製品寸法とまったく同じ失敗の型です。数字は正しく、それを測った面が違うのです。
出荷前の階段図面チェックリスト
- 総高さを基準とセットで記載——仕上げ床から仕上げ床まで、または構造面から構造面まで
- 両階の床構成を寸法として図示
- 段数と一段あたりの蹴上げ高さを計算して記載
- 蹴上げと踏面を、出荷元ではなく出荷先の法規と照合
- 踏面は段鼻から段鼻まで寸法記入し、段鼻の出は別に記載
- 頭上高さを段鼻ラインから、最も不利な位置で寸法記入
- 手すり高さを段鼻ラインから寸法記入
- 手すり子の最大開口を寸法記入
- 1 階段の段数が現地の最小・最大の範囲内
- 2R+G を計算し、歩きやすさの確認として注記
よくある質問
蹴上げの最大高さはいくつですか
米国の住宅は IRC R311.7 で 7¾ インチ(196 mm)、米国の商業は IBC で 7 インチ(178 mm)、英国の専用階段は Approved Document K で 220 mm、中国の住宅共用階段は GB 50352-2019 で 175 mm です。蹴上げは市場間の差が最も大きい限度値なので、自社が普段つくっている国の基準ではなく、出荷先の法規と照合する必要があります。
3/8 インチの階段ルールとは何ですか
一つの階段の中で、最も高い蹴上げが最も低い蹴上げを 3/8 インチ(9.5 mm)を超えて上回ってはならず、同じ公差が踏面にも適用されます。落ちるのは最上段か最下段が最も多く、階段の製造後に仕上げ床の厚みが実効の蹴上げ高さを変えてしまうためです。
踏面の寸法はどう測りますか
段鼻から段鼻まで——ある段の先端から次の段の先端まで、水平方向に測ります。段鼻が下の蹴込み板にかぶるため、踏板そのものの幅ではありません。板幅を踏面として見積もると、段鼻の出(通常 19–32 mm)のぶんだけ寸法を過大に申告することになります。
中国と米国の階段法規に一致点はありますか
一致するのは限度値ではなく、歩行の幾何です。蹴上げの二倍にゴーイングを足した値は、IRC・IBC・GB 50352 の住宅基準のいずれでも 610 mm から 646 mm に収まり、Approved Document K が明示する 550–700 mm の帯の中に入ります。一方で個別の最大値は十分に違うため、ある市場で適合する階段が別の市場では違法になり得ます。
階段図面ではこれらの寸法をどう示すべきですか
検査員が確認する数値はすべて、仕様表の一行ではなく図面上の寸法として示すべきです。基準とセットの総高さ、一段あたりの蹴上げ高さ、段鼻から段鼻までの踏面、段鼻の出、段鼻ラインからの頭上高さ、手すり高さ。検査員はあなたの図面を基準に実物の階段を測るので、これらの寸法線は実際のジオメトリから起こす必要があります。つまり本物の段鼻ラインにスナップした寸法を、案件の文書ポータルが要求するサイズで書き出すということであり、イラストの上に概算値を打ち込むこととは違います。目分量で描いた、あるいは生成された、それらしい蹴上げに見える断面図は、現場で議論に負ける一番の近道です。建材の寸法表示の一般原則がここではより鋭く効いてきますし、基準となる数値は標準的な階段寸法のページにまとめてあります。
