ワードローブの内寸:バイヤーが必ず聞いてくる6つの数字

ワードローブの内寸はコートが入るかどうかを決めます。有効奥行き、ロング・ショートハンガーの高さ、パイプ上のクリアランス、棚板の奥行きと耐荷重——商品ページが落とす数字です。

ワードローブの内寸:バイヤーが必ず聞いてくる6つの数字

ワードローブの商品ページは、どこも外寸だけは載せています。1200 × 600 × 2100。ところがワードローブの内寸を載せているところはほとんどありません。そして買い手のコートが入るか、シャツが下の棚板に触れるか、コンテナが検品を通るかを決めているのは、その内側の数字のほうです。内寸が見つからないバイヤーがすることは二つに一つ。問い合わせて、あなたの一日を消費するか。内寸を載せているサプライヤーから買うか、です。

ワードローブの内寸とは、キャビネット内部で実際に使える有効寸法のことです。扉の内側の有効奥行き、両側板の間の有効幅、そしてハンガーゾーンや棚ゾーンごとの有効な垂直高さ。いずれも外寸より必ず小さく、その差は多くの売り手が認めたがるより大きいものです。

なぜワードローブの奥行きは 550 mm ではなく 600 mm なのか

衣類をハンガーに掛けた時点で肩幅が 500〜550 mm になり、ハンガー自体も横幅 450 mm 前後あるからです。左右方向に通したパイプに冬物のコートを掛けると、衣類は前後方向におよそ 550 mm を占めます。外寸奥行き 550 mm のキャビネットから 18 mm の背板を引き、さらに扉の厚みとクリアランスを引くと、有効奥行きは約 510 mm。コートが扉を押します。

外寸 600 mm は、この計算がようやく成立する奥行きです。有効寸法で約 560〜570 mm、衣類を圧迫せずに扉が閉まるだけの余裕が残ります。この数字が存在する理由はそれだけです。慣習ではありません。肩幅です。

商品ページに書くべきルール: 左右方向のハンガーパイプなら、外寸奥行きではなく有効内寸奥行きを公開してください。「600 mm」と読んで 520 mm の使用可能スペースが届いたバイヤーには、正当なクレーム権があり、正当な返品権があります。

ハンガーパイプには実際どれだけの高さが必要か

答えは二つあり、両方とも公開すべきです。

ハンガーゾーン 必要な有効高さ(パイプから下の棚板/床まで) 掛けられるもの
ロングハンガー 1520–1730 mm コート、ワンピース、ドレス、オールインワン
ショートハンガー/ダブルハンガーの一段 1000–1050 mm シャツ、ブラウス、ジャケット、二つ折りのパンツ
パイプ上部のクリアランス 50–75 mm ハンガーを外すために持ち上げる量

サプライヤーが忘れるのは最後の行です。パイプ上の棚板までが 30 mm しかなければ、ハンガーは持ち上がらず外れません。公開している寸法がすべて正確でも、そのワードローブは機能的に壊れています。50 mm が実用上の下限、75 mm あれば快適です。

シングルパイプの取り付け高さは、床からパイプ上端まで 1675 mm 前後に落ち着くのが一般的です。ダブルハンガーの構成なら、およそ 1015 mm と 2030 mm。これらは取り付けの慣例であって規格ではありません。表を写すのではなく、自社で実測した値を公開してください。

ダブルハンガーにすると何が変わるか

ダブルハンガーは同じ設置面積のまま掛け幅を倍にします。これは本物の訴求点であり、形容詞ではなくパイプの延べメートル数で語る価値があります。

幅 1200 mm のワードローブにシングルパイプなら、側板を差し引いて掛け幅は約 1.16 m。同じ本体の半分の幅をダブルハンガーにすると約 1.74 m になります。これは 50% の容量増です。競合が「ゆったり」と書いているものを、あなたは数字で書けます。

ただし条件があります。ダブルハンガーが成立するのは、両段がそれぞれ 1000 mm とパイプ上のクリアランスを確保できたときだけです。高さ 2100 mm の本体で、100 mm の台輪と天板側の棚を引くと、分割できる内部高さは約 1900 mm。1000 mm × 2 段は入りません。950 mm × 2 段+クリアランスなら入りますが、短めのジャケットは下の段に触れます。どちらなのかを明記してください。

棚板の奥行きはどれくらいにすべきか

ワードローブ内の棚板は 450 mm 奥行きが一般的で、有効内寸奥行き 560 mm より浅くしてあります。これは意図的です。畳んだセーターの幅は約 300 mm。それより深い棚は、物の後ろに物が埋もれる場所になるだけです。

奥行きより重要なのはスパンです。16 mm のパーティクルボードで内寸幅 1200 mm を丸ごと渡した棚板は、畳んだ衣類の重みで一年以内に目に見えてたわみます。中仕切りを入れてスパンを詰めるか、より厚い/剛性の高い板を指定するか。どちらにしても耐荷重を公開してください。

バイヤーが聞いてくるのに、商品ページが答えていないこと

輸出営業の受信箱に実際に届く質問から拾ったものです。

バイヤーの質問 それに答える数字
「うちのコートは入りますか?」 ロングハンガーの有効高さ(mm)
「パイプをもう一本追加できますか?」 内部高さと、側板にダボ穴が加工済みかどうか
「掛けられる量はどれくらい?」 パイプの延べメートル数(容積ではなく)
「扉はベッドに当たりませんか?」 扉一枚の幅と開閉半径、または「引き戸」
「棚にはどれくらい載せられますか?」 棚一枚あたりの kg(スパンを明記)
「壁固定は必要ですか?」 仕向け地の規則に沿って、要否+同梱金具

最後の行は米国市場では任意ではありません。衣類収納家具は ASTM F2057(衣類収納家具の安全仕様規格)の対象で、高さ 27 インチ(686 mm)を超える製品に対する米国の強制安全規則になりました。欧州では、家庭用収納家具は EN 14749(家具:家庭用・キッチン用収納家具の安全要求事項と試験方法)で試験されます。収納家具の安定性試験の考え方は Eurofins の家具試験解説によくまとまっています。商品ページで壁固定に触れていなければ、コンプライアンスに敏感なバイヤーは「試験していないのだろう」と判断します。

早見表

寸法項目 公開するか よくある値
外寸奥行き 公開する。ただし二番目に 600 mm
有効内寸奥行き 公開する。最初に 555–575 mm
有効内寸幅 公開する 外寸幅 − 2 × 板厚
ロングハンガー有効高さ 公開する 1520–1730 mm
ショートハンガー有効高さ 公開する 1000–1050 mm
パイプ上部クリアランス 公開する 50–75 mm
棚板奥行き 公開する 450 mm
棚の耐荷重/スパン 公開する スパン明記の kg
パイプ延べメートル数 公開する 構成ごとに算出
転倒防止金具 公開する 同梱/非同梱

この表をそのまま製品仕様書に写せば、質問される前に十問中九問に答えたことになります。隣接する製品群については、卸バイヤー向けの標準キャビネット寸法が同じ規律をキッチン・収納キャビネットに当てはめて解説しています。また標準的なワードローブ寸法は、商品ページが黙っているときにバイヤーが勝手に前提としてしまうサイズをまとめた資料です。

数字を画像に載せる

仕様表は、文章を読むバイヤーには答えになります。ただ大半の人はまず読みません。画像を眺めるだけです。そこにスタイリングされた部屋しか写っていなければ、質問が来ます。内寸の居場所は二枚目の画像です。扉を開いた状態の正面図に、ロングハンガー高さ、ショートハンガー高さ、棚板奥行き、有効内寸奥行きを、それぞれが指している部位の上に引き出す。

肝心なのは、その注記が実測した製品から来ていることです。画像編集ソフトで手描きした矢印は、品番が増えるほどズレていきます。AI が生成した画像は、誰も測っていない「1650 mm」というラベル付きの美しいワードローブを作れてしまいます。権威ありげに見えて、単に虚偽です。機能するのは、写真や図面の実際のエッジにスナップして実測値を画像上に固定し、各モールの仕様画像サイズで書き出す注記のほうです。

よくある質問

ワードローブの内寸は一般的にどれくらいですか?

奥行き 600 mm の本体なら、有効内寸奥行きは約 555–575 mm、ロングハンガーゾーンは 1520–1730 mm、ショートハンガーゾーンは 1000–1050 mm、棚板は奥行き 450 mm が目安です。有効内寸幅は外寸幅から板厚二枚分、通常は合計 32–36 mm を引いた値になります。

ハンガーパイプの高さはどれくらいにすべきですか?

シングルパイプは床から約 1675 mm が一般的で、ダブルハンガーの場合は約 1015 mm と 2030 mm です。取り付け高さより重要なのは、パイプ下の有効高さ(コートなら最低 1520 mm)と、ハンガーを外せるようにパイプ上部に確保する 50–75 mm のクリアランスです。

標準的なワードローブの奥行きが 600 mm なのはなぜですか?

ハンガーに掛けた成人用衣類が前後方向に約 500–550 mm を占め、ハンガー自体の幅が約 450 mm あるためです。外寸奥行き 600 mm なら、衣類を押さずに扉が閉まるだけの有効奥行きが残ります。550 mm では残りません。

サイズ起因のワードローブ返品を減らすには?

有効内寸を外寸と並べて公開し、表の中だけでなく仕様画像にも載せ、棚の耐荷重をスパンとセットで明記することです。ワードローブの返品の多くは品質不良ではありません。「奥行き 600」が別の意味だったとバイヤーが気づいた結果です。仕様画像に投資する前に、返品が一波来たときの金額を確かめたいなら、返品コスト計算ツールが大型商品の送料・再入庫・廃棄損を計算します。

転倒防止金具は同梱しなければなりませんか?

米国市場では、高さ 27 インチを超える衣類収納家具は強制的な安定性規則の対象となるため、転倒防止金具と付随する警告表示は実質的に必須です。EU では家庭用収納家具は EN 14749 で試験されます。いずれの市場でも、金具が箱に入っているかどうかを商品ページに明記してください。

出典・参考資料

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