衣類をハンガーに掛けた時点で肩幅が 500〜550 mm になり、ハンガー自体も横幅 450 mm 前後あるからです。左右方向に通したパイプに冬物のコートを掛けると、衣類は前後方向におよそ 550 mm を占めます。外寸奥行き 550 mm のキャビネットから 18 mm の背板を引き、さらに扉の厚みとクリアランスを引くと、有効奥行きは約 510 mm。コートが扉を押します。
外寸 600 mm は、この計算がようやく成立する奥行きです。有効寸法で約 560〜570 mm、衣類を圧迫せずに扉が閉まるだけの余裕が残ります。この数字が存在する理由はそれだけです。慣習ではありません。肩幅です。
商品ページに書くべきルール: 左右方向のハンガーパイプなら、外寸奥行きではなく有効内寸奥行きを公開してください。「600 mm」と読んで 520 mm の使用可能スペースが届いたバイヤーには、正当なクレーム権があり、正当な返品権があります。
ハンガーパイプには実際どれだけの高さが必要か
答えは二つあり、両方とも公開すべきです。
ハンガーゾーン
必要な有効高さ(パイプから下の棚板/床まで)
掛けられるもの
ロングハンガー
1520–1730 mm
コート、ワンピース、ドレス、オールインワン
ショートハンガー/ダブルハンガーの一段
1000–1050 mm
シャツ、ブラウス、ジャケット、二つ折りのパンツ
パイプ上部のクリアランス
50–75 mm
ハンガーを外すために持ち上げる量
サプライヤーが忘れるのは最後の行です。パイプ上の棚板までが 30 mm しかなければ、ハンガーは持ち上がらず外れません。公開している寸法がすべて正確でも、そのワードローブは機能的に壊れています。50 mm が実用上の下限、75 mm あれば快適です。
シングルパイプの取り付け高さは、床からパイプ上端まで 1675 mm 前後に落ち着くのが一般的です。ダブルハンガーの構成なら、およそ 1015 mm と 2030 mm。これらは取り付けの慣例であって規格ではありません。表を写すのではなく、自社で実測した値を公開してください。
幅 1200 mm のワードローブにシングルパイプなら、側板を差し引いて掛け幅は約 1.16 m。同じ本体の半分の幅をダブルハンガーにすると約 1.74 m になります。これは 50% の容量増です。競合が「ゆったり」と書いているものを、あなたは数字で書けます。
ただし条件があります。ダブルハンガーが成立するのは、両段がそれぞれ 1000 mm とパイプ上のクリアランスを確保できたときだけです。高さ 2100 mm の本体で、100 mm の台輪と天板側の棚を引くと、分割できる内部高さは約 1900 mm。1000 mm × 2 段は入りません。950 mm × 2 段+クリアランスなら入りますが、短めのジャケットは下の段に触れます。どちらなのかを明記してください。
棚板の奥行きはどれくらいにすべきか
ワードローブ内の棚板は 450 mm 奥行きが一般的で、有効内寸奥行き 560 mm より浅くしてあります。これは意図的です。畳んだセーターの幅は約 300 mm。それより深い棚は、物の後ろに物が埋もれる場所になるだけです。
奥行きより重要なのはスパンです。16 mm のパーティクルボードで内寸幅 1200 mm を丸ごと渡した棚板は、畳んだ衣類の重みで一年以内に目に見えてたわみます。中仕切りを入れてスパンを詰めるか、より厚い/剛性の高い板を指定するか。どちらにしても耐荷重を公開してください。
バイヤーが聞いてくるのに、商品ページが答えていないこと
輸出営業の受信箱に実際に届く質問から拾ったものです。
バイヤーの質問
それに答える数字
「うちのコートは入りますか?」
ロングハンガーの有効高さ(mm)
「パイプをもう一本追加できますか?」
内部高さと、側板にダボ穴が加工済みかどうか
「掛けられる量はどれくらい?」
パイプの延べメートル数(容積ではなく)
「扉はベッドに当たりませんか?」
扉一枚の幅と開閉半径、または「引き戸」
「棚にはどれくらい載せられますか?」
棚一枚あたりの kg(スパンを明記)
「壁固定は必要ですか?」
仕向け地の規則に沿って、要否+同梱金具
最後の行は米国市場では任意ではありません。衣類収納家具は ASTM F2057(衣類収納家具の安全仕様規格)の対象で、高さ 27 インチ(686 mm)を超える製品に対する米国の強制安全規則になりました。欧州では、家庭用収納家具は EN 14749(家具:家庭用・キッチン用収納家具の安全要求事項と試験方法)で試験されます。収納家具の安定性試験の考え方は Eurofins の家具試験解説によくまとまっています。商品ページで壁固定に触れていなければ、コンプライアンスに敏感なバイヤーは「試験していないのだろう」と判断します。