NPT と BSP ねじは、組み立ては通っても使用中に漏れるという、珍しいタイプの仕様問題です。1/2 インチと 3/4 インチでは、どちらのねじも1 インチあたり 14 山です。NPT のオスは BSP のメスにねじ込まれ、締まった感触があり、目視検査も通ります。そのあと滲みます。フランク角が 5 度違い、山の頂だけが実際には接触しているからです。
不具合の全体像はこれだけです。ピッチが同じ、断面形状が違う、シールしない。以下は、これを防ぐ表記ブロックを項目ごとに示したものと、部品しか手元にないときにねじを判別する方法です。
ねじ表記のテンプレート
図面、仕様書、製品画像にあるすべてのねじ穴と継手には、次の 8 項目を記載すべきです。実際には 2 項目しかないのが普通です。
項目 1 — ねじ規格と呼び
「1/2 インチ BSP」ではありません。規格自身が使う呼び方で書きます。
| 意図しているもの | こう書く | 準拠規格 |
|---|---|---|
| NPT テーパ、オスまたはメス | 1/2-14 NPT |
ASME B1.20.1 |
| NPT ドライシール | 1/2-14 NPTF |
ASME B1.20.3 |
| BSP テーパ オス | R 1/2 |
ISO 7-1 / BS EN 10226 |
| BSP テーパ メス | Rc 1/2 |
ISO 7-1 / BS EN 10226 |
| BSP 平行 メス(R と組む) | Rp 1/2 |
ISO 7-1 |
| BSP 平行、オス・メスとも | G 1/2 |
ISO 228-1 |
R / Rc / Rp / G の記号は、「BSP」の一語では消えてしまう情報を担っています。具体的には、そのねじがテーパか平行か — つまりどこでシールするのかを決める情報です。
項目 2 — テーパか平行かを言葉で明記する
項目 1 と重複しますが、それでも 1 行の価値があります。テーパねじはねじ山のフランクでシールします。平行ねじはねじ山ではまったくシールせず、継手を保持するだけで、シールはボンデッドシールやワッシャーが担います。平行ねじの穴を受け取ったバイヤーがテーパのつもりで施工すると、どこかが割れるまで締め込みます。
項目 3 — 1 インチあたりのねじ山数
数値で書きます。金属を削る前に不一致を暴くのは、この項目です。
| 呼び径 | NPT の TPI | BSP の TPI | 同じか |
|---|---|---|---|
| 1/8 in | 27 | 28 | いいえ |
| 1/4 in | 18 | 19 | いいえ |
| 3/8 in | 18 | 19 | いいえ |
| 1/2 in | 14 | 14 | はい |
| 3/4 in | 14 | 14 | はい |
| 1 in | 11.5 | 11 | いいえ |
「はい」の 2 行をよく見てください。ここが危険なサイズです。1/4 と 3/8 なら、不一致は 1〜2 回転で噛んで誰かが調べ始めます。1/2 と 3/4 では、きれいに組み上がって出荷されます。
項目 4 — ねじ山の角度
NPT は 60°、BSP は 55°。1 行書くだけで、図面を読む人全員に非互換性がはっきり伝わります。
- NPT:挟角 60°、山の頂と谷は平ら/鋭い
- BSP(BSPT と BSPP の両方):55° ウィットワース形、山の頂と谷は丸い
山の頂の形が違うため、TPI が一致していても接触するのは間違った面になります。2 つの系統を混ぜた場合、5° の差だけで適正な嵌合とシールが成立しなくなります。
項目 5 — 外径
検査場での議論を決着させる寸法です。TPI が同じ場合でも、こちらは違うからです。
| 呼び径 | NPT 外径 | BSPT 外径 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1/8 in | 0.405 in | 0.383 in | 0.022 in |
| 1/4 in | 0.540 in | 0.518 in | 0.022 in |
| 3/8 in | 0.675 in | 0.656 in | 0.019 in |
| 1/2 in | 0.840 in | 0.825 in | 0.015 in |
| 3/4 in | 1.050 in | 1.041 in | 0.009 in |
| 1 in | 1.315 in | 1.309 in | 0.006 in |
サイズが大きくなるほど差が縮まる点に注意してください。1 インチでは両者の差は 6 ミル(1000 分の 6 インチ)で、ノギスなら測れますが、手の感覚では分かりません。
項目 6 — シール方式
箱に何を同梱するかが変わるので、その継手がどうやってシールする設計なのかを明記します。
- NPT — ねじ山のフランクでシールし、PTFE テープまたはねじ用シール剤を併用します。締めすぎやシール剤の過剰塗布そのものが漏れの原因になり得ます。
- BSPT(R/Rc) — テーパねじ同士が食い込んで固定され、正しく加工されていればシール剤に依存しない剛結合になります。
- BSPP(G) — 平行ねじ。座面にボンデッドシールリングまたはワッシャーが必要です。継手と一緒に出荷しないと、バイヤーが有り合わせで済ませます。
項目 7 — ねじ深さとザグリ面
鋳物やマニホールドのメスねじ穴では、有効ねじ深さとザグリ面の直径を示します。平らな座面がなければボンデッドシールは座る場所がありませんし、シールする前に底付きするねじは、トルクレンチ付きの漏れです。
項目 8 — 材質とめっき
ねじ等級と皮膜厚さは、実効的な嵌合を変えます。厚めっきの NPT オスをめっきされたメスにねじ込むと、シールする前に固着することがあります。
記入例 2 つ
欧州市場向け 油圧マニホールドのポート:
ポート:ISO 228-1 準拠 G 1/2、平行、55° ウィットワース、14 TPI、外径 0.825 in、ザグリ面 ⌀28 mm でボンデッドワッシャーによりシール、有効ねじ深さ 14 mm、スチール、亜鉛ニッケルめっき。ボンデッドシール同梱。
北米向けアセンブリの継手:
オス:ASME B1.20.1 準拠 1/2-14 NPT、テーパ、60° 形、外径 0.840 in、PTFE テープ(2〜3 巻)によりフランクでシール、316 ステンレス、めっきなし。
どちらの文も、二通りに解釈して納品する余地がありません。「1/2 BSP」と比べてみてください。あれは 4 通りに納品できます。
部品しか手元にないときの NPT と BSP ねじの判別
図面のほうが失われている、ということもあります。手順は 3 段階、この順です。
- ノギスで外径を測る。 項目 5 の表と照合します。差が 0.019〜0.022 in ある小径サイズなら、これだけで NPT と BSP を切り分けられます。
- 1 インチあたりの山数を数えるか、ピッチゲージを使う。 18 ではなく 19、27 ではなく 28 なら、手元にあるのは BSP です。14 が出たなら、この手順からは何も分かりません。3 に進んでください。
- テーパと山頂の形を確認する。 ねじ山の頂に直定規を当てます。NPT と BSPT は嵌合長にわたって目に見えてテーパしていますが、BSPP は平行です。拡大して見ると、NPT の山頂は平らで鋭く、BSP の山頂は丸く見えます。
1/2 と 3/4 インチの案件を解決するのは手順 1 と 3 です。まさにそこが、山数を数える方法が誤った安心を与える領域だからです。
自社製品に合わせたテンプレートの使い分け
- マーケットプレイスで売るバルブや継手: 呼びは仕様表だけでなくタイトルに入れます。
R 1/2や1/2-14 NPTは、何が必要か分かっているバイヤーが文字列そのままで検索します。 - ポートが複数ある機械: 図面上でポートに番号を振り、各ポートに専用の表記行を与えます。「全ポート BSP」という一括注記こそ、誰もつなげないポートが 1 つ残る原因です。
- 米国と EU の両方に売る製品: 2 つのバリエーションを別 SKU として、別々の画像で公開します。脚注に書かれたアダプタは、バイヤーの購買システムを通過しません。
- 平行ねじのポートがあるすべての製品: ボンデッドシールが同梱かどうかを商品ページに明記します。平行ねじ製品で最も多い販売後の質問がこれです。
同じ原則は、ねじが載っている配管本体にも当てはまります。配管と継手の寸法 は、NPS・DN・スケジュールが同じ理由で 3 つの別項目である理由を扱っています。機械側では、メートルねじとインチねじの違い がボルトにおける同じ罠 — 組めてしまうほど近く、保持できるほどには近くない — を扱っています。
よくある質問
NPT と BSP は組み合わせて使えますか?
使えません。ねじ山数が同じ 1/2 と 3/4 インチでも非互換です。NPT は山頂が平らな 60° 形、BSP は山頂が丸い 55° ウィットワース形だからです。この組み合わせは組み上がって締まったように見え、そのあと使用中に漏れます。フランク角の不一致は、どれだけシール剤を使っても直りません。
測定で NPT と BSP を見分けるには?
まず外径を測ります。1/4 in では NPT が 0.540 in、BSPT が 0.518 in で、ノギスなら即座に捉えられる差です。次に山数を数えます。1/4 と 3/8 では NPT が 18 TPI、BSP が 19 です。1/2 と 3/4 インチではどちらも 14 TPI なので、外径と山頂形状に戻って判断します。
BSPT と BSPP の違いは何ですか?
BSPT(オスが R、メスが Rc)はテーパで、ねじ山そのものでシールします。BSPP(G)は平行で、ねじは継手を保持するだけ、シールは座面のボンデッドワッシャーが担います。どちらも 55° ウィットワース形なので、違いは断面形状ではなくテーパの有無です。
図面の R 1/2 は何を意味しますか?
ISO 7-1 / BS EN 10226 に準拠した、呼び 1/2 インチの BSP テーパオスねじです。対応するメスは Rc 1/2(テーパ)または Rp 1/2(平行)です。どちらも 1 インチあたり 14 山ですが、1/2-14 NPT とは互換ではありません。
商品画像にねじ仕様はどう載せるべきですか?
呼び、TPI、外径を、それが説明しているねじの位置に重ねて画像に載せます。バイヤーは仕様書を開く前に画像で候補を絞りますし、真正面から撮ったねじ穴の写真にはスケール感がまったくありません。実務的な方法は、各注記を実際のポートの実測形状に固定し、マーケットプレイスやカタログが要求するサイズで書き出して、数字が形状に紐づいたままにすることです。これは画像編集ではなく計測の仕事であり、画像生成ツールが具体的に間違える点でもあります。モデルは、一度も測っていないポートに鮮明な「1/2 NPT」を描き込みます。圧力継手では、それは誰かが配管系全体をその上に組み立ててしまう数字です。ここでは実測値が説得力に勝ります。SKU ごとに時間を投じる前にコスト側を見たいなら、返品コスト計算ツール が、ねじ違いの出荷 1 件が利益からいくら奪うのかを算出します。
