EU電池ラベル要件:3つの時計と条件付きの日付

EU電池ラベル要件は3つの時計に分かれ、固定日は2つだけです。表示ごとの日付表、寸法ルール、仕様書に貼れるラベル欄をまとめました。

EU電池ラベル要件:3つの時計と条件付きの日付

EU電池ラベル要件は1つの期限ではありません。4つの表示が3つの時計に分かれており、そのうち固定されているのは2つだけです。だから輸出チームは間違った日付に備え、バイヤーは「一見正しそうな」ラベル写真を差し戻し続けます。

バッテリーを内蔵した製品なら対象です。モバイルバッテリー、電動ドリル、電動自転車のライト、スピーカー、玩具——表示は電池本体に必要で、外箱だけでは足りません。

EU電池ラベルに実際に含まれるもの

規則 (EU) 2023/1542 における電池ラベルとは、EU市場に投入されるすべての電池に付す法定表示の集合です。分別回収記号(バツ印付き車輪付きごみ箱)、重金属の閾値を超えた場合の Cd または Pb の化学記号、一般情報ラベル、容量ラベル、そして2027年2月18日からのQRコードです。

初めてEU向けに輸出する担当者がつまずくのは次の4点です。

  • 表示の対象は電池そのもので、製品に内蔵されていても変わりません。
  • ルールは第13条、様式は附属書VIにあります。適合宣言とCEマーキングは別の義務です。
  • 第13条の日付のひとつは条件付きで、表に書いた「期限」はまだ始まっていない可能性があります。
  • ラベルは文字の問題であると同時に寸法の問題です。記号には最小面積があり、出品写真には最大のトリミングがあります。

EU電池ラベル要件の3つの時計

表示 根拠 適用開始 固定日か
Cd または Pb の化学記号(閾値超え) 第13条(5) 2024年2月18日(規則の一般適用日) はい
分別回収記号(バツ印付きごみ箱) 第13条(4) 2025年8月18日 はい
一般情報ラベル 第13条(1)、附属書VI Part A 2026年8月18日または表示実施法の施行後18か月のいずれか遅い日 いいえ
容量ラベル(充電式ポータブル、LMT、SLI) 第13条(2) 上と同じ条件付き日 いいえ
「充電不可」と最低平均使用時間 第13条(3) 上と同じ条件付き日 いいえ
すべての電池のQRコード 第13条(6) 2027年2月18日 はい

6行のうち2行はすでに有効、2行は日付が動き得ます。将来の日付でかつ無条件なのはQRコードだけです。

2026年8月18日が条件付きである理由

第13条(1)の最初の文に条件があります。ラベルは2026年8月18日、または第10項の実施法の施行日から18か月後のいずれか遅い日から適用される、という書き方です。

第13条(10)は、委員会が2025年8月18日までに、第1項から第3項の表示要件の整合仕様(様式、記号、一般情報ラベルの形式)を定める実施法を採択するよう求めています。この実施法が施行されなければ、18か月の代替時計は動きません。

「または実施法の施行後18か月」で始まる期限は、期限ではありません。最初の日付だけを読む人への引っかけです。

実務では次の3点が変わります。

  • 2026年8月18日を固い締切と決めつけない。 まず実施法の現状を確認してください。整合様式は2025~2026年も草案段階で意見募集が続いており、業界団体の意見書は公開されています。印刷業者に発注する前に最新版を読みます。
  • 条件付きを口実に待たない。 一般情報ラベルに載るのは、もともと把握していなければならない事実(化学組成、容量、製造日)です。時間がかかるのはデータ収集で、印刷ではありません。
  • 固定された2つの日付を本番と考える。 分別回収記号は2025年8月18日から義務、QRコードは2027年2月18日に必着で、ラベル様式の確定とは無関係です。

2025年8月から義務になっている表示

「2026年のラベル」だけを読んだ担当者が最も見落とす項目です。附属書VI Part Bの分別回収記号(バツ印付き車輪付きごみ箱)は2025年8月18日からすべての電池に適用されています。

工場支給ラベルで最も欠けやすいのもこれです。国内市場向けのラベルにEUの廃棄記号を入れる理由がないからです。

第13条(4)の寸法ルール:

電池の形状 最小の記号面積 最大寸法 代替措置
すべての電池 最大側面の面積の3% 5 × 5 cm —
円筒形セル 表面積の1.5% 5 × 5 cm —
小さすぎて記号が読めない 記号が0.47 × 0.47 cm未満になる — 包装に1 × 1 cm以上で印刷

代替措置の範囲に注意してください。電池が本当に小さい場合に分別回収記号を包装へ移せるだけで、一般情報ラベル、容量ラベル、QRコードは移せません。第13条(7)が包装と随附書類を認めるのは「電池の性質と寸法により」本体への印刷が不可能な場合だけです。広い免責ではなく、狭い例外です。

カドミウムが0.002%超、または鉛が0.004%超なら、CdまたはPbの記号を分別回収記号の下に、その面積の4分の1以上で表示します(第13条(5))。閾値が2つ、記号が2つ、位置は1か所。図案の美しさより割合の正確さが重要です。

商品写真でラベルが読めるかを決める寸法

多くのラベル解説が飛ばし、バイヤーが実際に見る部分です。適合していても、送った写真で読めなければサンプルは差し戻されます。

計算は単純です。幅500 mmの製品が1200ピクセル幅の画像いっぱいに写ると、1 mmは約2.4ピクセル、50 mmの分別回収記号は約120ピクセルで読めます。同じ製品を400ピクセル幅のサムネイルにすると記号は40ピクセル、灰色の染みです。

実務的な結論は2つです。

  • ラベルだけを1枚で撮る。 正対し、画面いっぱい、余計なものを置かない。主役はラベルの文字で、製品ではありません。
  • 全景1枚とラベル接写1枚を同じセットに残し、どちらの記号を示すかをキャプションに書く。バイヤーも市場審査も、ごみ箱記号を名指しで探します。

EU電池ラベル要件が与えるのは最小面積、出品画像のトリミングが与えるのは上限です。写真上に実測注記を置く仕組みがあるなら、ラベル欄も同じ扱いになります。書き出しサイズに注記を固定し、表示ごとに描き直さないソフトウェアなら、3 mmの文字が灰色の帯に潰れるのを防げます。これは表現の判断であり適合の判断ではありませんが、適合の証拠が読めるかどうかを決めます。

2027年2月18日からQRコードが開くべきもの

第13条(6)は無条件です。2027年2月18日から、すべての電池に附属書VI Part CのQRコードが必要です。

リンク先は電池の区分で変わります。

  • LMT電池、2 kWh超の産業用電池、EV電池: 第77条の電池パスポート。
  • その他の電池: 第1項から第5項のラベル情報、第18条の適合宣言、第52条(3)の報告、第74条(1)(a)~(f)の廃電池情報。
  • SLI電池: さらに、廃電池から回収され活物質に含まれるコバルト、鉛、リチウム、ニッケルの量。

規則は情報が完全・最新・正確であることも求めます。これは生産データの義務で、デザインの義務ではありません。2027年に外箱へ印刷したQRコードが2024年のPDFを開くなら、読み取れても不適合です。

工場がラベルを用意する場合、誰が責任を負うか

製品にあなたのブランドが入っていれば、規則上の「製造者」はあなたです。海外工場が設計し、セルを調達し、ラベルを印刷していても変わりません。輸入者は確認しますが、正しさの責任は段ボールとともに移りません。

実際のリスクは偽造ではなく、ずれです。工場は他の顧客が受け入れるラベルを印刷します。その市場がEU記号を要求しないため、税関の抜き取りやバイヤーのコンプライアンス担当が写真を求めるまで差は見えません。

初回出荷前に3点を求めてください。

  • 電池本体の実ラベルの正面写真(読める解像度)。図案ファイルではありません。
  • 実測の化学組成と容量、試験報告書番号付き。ラベルと宣言を一致させます。
  • カドミウムと鉛の含有量。この2つの数値がCd/Pb記号の要否を決めます。

あわせて隣接する義務も確認します。製品全体に適用されるCEマーキングのサイズ要件と、サンプルの輸送方法を決めるリチウム電池の輸送制限です。

仕様書に貼る電池ラベルの欄

ラベルの事実を1つの欄にまとめ、図面・製品カード・出品ページで使い回します。そうしないと、ラベルは2,000 mAh、出品は2.2 Ahとなり、バイヤーがどちらが本当かを尋ねることになります。

項目 記入内容 出所
製造者 法定名称、登録商号、所在地 自社記録(工場名ではない)
電池区分 ポータブル、LMT、SLI、産業用、EV 規則の定義
化学組成 例:Li-ion NMC、LFP、NiMH セルのデータシート
容量 AhとWh、試験条件付き 試験報告書
公称電圧 V セルのデータシート
製造日 年月(または週) 生産記録
重量 gまたはkg、正味 1個ずつ計量
Cd/Pbの状態 0.002%/0.004%を下回るか上回るか 分析報告書
分別回収記号 本体に、または包装に(寸法付き) ラベル写真
QRコードの遷移先 URLまたはパスポートID 生産システム

整合様式の施行後、一般情報ラベルの正確な文言は附属書VI Part Aで確認してください。上の表はその入力を作るもので、置き換えるものではありません。またラベル、仕様書、輸出向け製品寸法ラベルで単位を揃えます。mAhとAhの混在は、図面のmmとインチの混在と同じ種類の誤りです。

電池と機械加工部品が同じページに載る産業製品では、ラベル欄は産業製品の仕様図に置くのが自然です。1枚、1版、1組の数値。

サンプル送付前の電池ラベルチェック

  • 電池区分を規則の定義で確認した(営業資料ではなく)
  • 分別回収記号が本体にあり、最大側面の3%(円筒形セルは1.5%)
  • 送る写真で読める(幅400ピクセルで確認)
  • Cd・Pbの結果が手元にあり、0.002%/0.004%超ならCd/Pb記号を追加
  • 容量をAhとWhで表示し、試験報告書番号を添付
  • 第13条(3)が適用される場合、「充電不可」と最低平均使用時間を表示
  • ラベル写真は全体で、ブランド名だけの切り抜きではない
  • 2027年印刷開始でもQRコードの遷移先を決めてある
  • 仕様書・出品・ラベルで容量と化学組成が一致
  • ラベル稿の版と日付を技術文書に記録

よくある質問

EU電池ラベル要件は2026年8月18日から効力を持ちますか?

自動的には持ちません。第13条(1)~(3)は2026年8月18日、または表示実施法の施行後18か月のいずれか遅い日から適用されます。分別回収記号は2025年8月18日から、QRコードは2027年2月18日から、実施法と関係なく義務です。

分別回収記号は電池ではなく包装に印刷できますか?

電池が小さすぎて記号が読めない場合だけです。第13条(4)は記号が0.47 × 0.47 cm未満になる場合に包装への移動を認め、包装側は1 × 1 cm以上とします。他の表示にこの例外はありません。

製品に内蔵した電池にも個別ラベルが必要ですか?

必要です。義務はEU市場に投入される電池に付き、家電・工具・消費財に組み込まれた電池も含みます。外箱のラベルは電池本体の表示の代わりになりません。

電池のQRコードはいつ義務になりますか?

2027年2月18日、すべての電池です。LMT、2 kWh超の産業用電池、EV電池は電池パスポート、それ以外はラベル情報、適合宣言、廃棄情報を開きます。

工場のラベルが間違っていた場合、誰の責任ですか?

自社ブランドで電池をEU市場に投入する事業者です。製品にあなたのロゴがあれば、工場の国内向けラベルで義務は移りません。ラベル稿、版、試験データを技術文書に保管してください。

出典