製品カードとPDFカタログの違い:どちらを送るべきか

製品カードとPDFカタログは何が違うのか。1型番カードの12項目、送信前9チェック、そして60ページのカタログが今も正解になる場面を整理します。

製品カードとPDFカタログの違い:どちらを送るべきか

製品カードと PDF カタログの違いは、レイアウトの好みではなく「どの質問にどのファイルで答えるか」という振り分けの問題です。製品カードは 1 型番の質問に 1 分以内で答えます。PDF カタログはシリーズ全体の質問に答えますが、バイヤーの夜が 1 晩つぶれます。順番を間違えると返ってくるのは「もう少し詳しい資料をもらえますか」——同じ仕事をもう一度こちらに振っている返事です。

この判断は、デザインツールを開く前にほとんど決まっています。Gmail の個人アカウントは添付 25 MB、Outlook.com も 25 MB、WhatsApp はドキュメントなら 2 GB まで送れます。カタログは前 2 つの制約に合わせて作られ、バイヤー は 3 つ目のチャネルで読みます。

本稿では、どのファイルがどの質問に答えるのか、1 型番のカードに載せる 12 項目、送信前の 9 つのチェック、そして 60 ページの PDF が今も正解になる場面を整理します。

製品カードとは何か

製品カードは 1 型番につき 1 ページです。製品名と品番、実測または公称の寸法、形状が分かる写真か寸法図、バイヤー が必ず聞く商流情報(MOQ、リードタイム、仕上げの選択肢、価格条件)、そして返信手段を 1 つ。大きな資料の 74 ページ目ではなく、1 製品だけを入れた文書だという点が本質です。

この定義が重要なのは、輸出営業の現場で「製品カード」と呼ばれるものが 4 種類あるからです。

呼び方 実体 誰のもの
製品カード 1 型番の仕様・図・連絡手段 自社。リンクで送れる
カタログページ 複数型番 PDF の 1 ページ 自社。ただし 74 ページ目に埋まる
マーケットプレイス掲載 他社プラットフォーム上の出品。画像規定に縛られる プラットフォーム
仕様書・図面 数字の背景にある設計・生産文書 技術部門

4 つのうち、1 型番だけで、かつ自分で送れるのは製品カードだけです。利点はそこに集約されます。

25 MB の壁:形式の問題は配信の問題

ここが営業チームの見落としどころです。Gmail は添付が上限を超えると送信エラーにせず、添付を外して Google Drive のリンクに差し替えます。バイヤー はスマートフォンでもう 1 つアプリを開き、送ったつもりのファイルにたどり着くことになります。Outlook.com も 25 MB で同じ挙動になり、それ以上は OneDrive 共有に誘導されます。

チャネル 上限 上限に達すると 出典
Gmail(個人) 25 MB 添付が外され Drive リンクに置換 Gmail ヘルプ — 添付ファイルを送信する
Gmail(法人・学校) Workspace 管理者が設定 同じく置換。上限はテナント次第 Gmail ヘルプ — 添付ファイルを送信する
Outlook.com 25 MB OneDrive からの共有に切り替え Microsoft サポート — Outlook.com の送信制限
WhatsApp(ドキュメント) 2 GB 送れるが、バイヤー はスマホでスクロール WhatsApp ヘルプセンター — メディア・連絡先・位置情報の送信

この表は予算だと思ってください。メールの予算は 25 MB です。120 型番・4 言語・実写入りのフルカタログは 25 MB に収まらないので、リンク置換が発動し、バイヤーの第一印象は「アクセス権をください」になります。

さらに悪いのは二次的な影響です。メール内のリンクは誰にでも転送できますが、25 MB の添付はそうはいきません。バイヤー がカードを製品担当に転送すれば仕様も一緒に渡ります。Drive リンクを転送すれば、担当が見るのはフォルダで、「どのファイル?」と聞き返すことになります。

製品カードと PDF カタログ:結果を変える 9 つの差

観点 製品カード PDF カタログ
型番数 1 数十〜数百
1 つの質問に答える時間 1 分以内 ページを探し、拡大し、列を推測
スマートフォンでの見え方 画面幅 1 つで読める 横スクロール、表頭は失われる
メールでの到達 通常はリンク。添付なし すぐ 25 MB に達する
バイヤー 社内での転送 リンクかスクショ。文脈が残る ファイルごと。要点は埋もれる
価格の見え方 価格条件 1 つ、有効期限 1 つ コピーごとに古くなる価格表
仕様変更のコスト 1 ページを直す 全体を再出力して再送
使うべきタイミング バイヤー が型番を指名した後 バイヤー が何があるか知る前
失敗の仕方 薄すぎて次の質問に答えられない 重すぎて開かれず、読まれない

最後の行だけ覚えてください。カタログは開かれないことで失敗し、カードは情報不足で失敗する。 失敗の方向が逆なので、この 2 つは競合しません。

PDF カタログが今も勝つ 3 つの場面

製品カードと PDF カタログの分かれ目は、ファイルサイズではなく バイヤー が調達のどの段階にいるかです。次の 3 つはカタログを消すと受注を落とす場面です。

品揃えの比較。 カテゴリを探し始めた バイヤー は、まだ型番リストを知りません。カタログなら 10 分で 80 案を眺め、4 つに絞れます。カードにはできない仕事です。カードは型番が決まっている前提の道具です。

入札・見積パッケージ。 公共調達や大手小売は、ページ番号と版番号の入った 1 つの文書セットを求めることがあります。40 個のリンクは彼らの filing には不便で、署名とページ付けを求めるプロセスもあります。

印刷物とショールームの置き資料。 展示会場のテーブルに置いたカタログは、バイヤー が持ち帰るから機能します。デジタル版は控えであって主役ではありません。

この 3 つはカタログに残してください。そして 4 つ目の用途——特定製品の特定の質問に答えること——では使うのをやめる。ここが静かに一番高くつく部分です。

製品カードが勝つ 4 つの場面

バイヤー が型番を挙げた後。 最も価値が高い瞬間です。候補が 2 つあり、板厚・梱包重量・リードタイムを比べたい。カードなら 40 ページを 2 回開かずに済みます。

補修部品とアフターサービス。 部品の引き合いは、部番 1 つ、寸法 1 つ、写真 1 枚です。ここでフルカタログを送るのは、やや酷です。

チャットでの受け渡し。 WhatsApp の上限は 2 GB なのでファイルは送れますが、制約は容量ではなく画面です。1 ページのカードはスマホ幅で読めます。カタログは読めません。

社内転送。 決裁する人は、あなたのメールを受け取った人とは限りません。カードは URL に製品名が入ったリンクとして渡るので、2 人目は開く前に何を見るか分かります。

転送に耐える 12 項目

そのまま使えるテンプレートです。どの項目も、過去の引き合いで バイヤー に聞かれたから残っています。

# 項目 書く内容 必要な理由
1 製品名 + 自社品番 対外的な名称と、見積で使うコード バイヤーの ERP と受注側の台帳をつなぐ
2 用途 1 行 「診療所の待合に 3 席」など マーケティングの段落なしで位置づけられる
3 実測寸法 長×幅×高さと単位、公差が分かれば併記 これが欠けると返品が始まる
4 組立寸法と梱包寸法 両方、ラベル付きで 運賃計算と搬入経路の確認は別の数字を使う
5 正味重量と総重量 kg、1 個あたりと 1 箱あたり 運賃と人手の判断
6 材質と仕上げ 基材 + 仕上げ。例「18 mm 合板、オーク突板、PU クリア」 仕上げのクレームは呼称の不一致が原因
7 梱包 1 箱あたり入数、箱寸法、パレット積載数 バイヤー はこの行で輸入運賃を出す
8 MOQ とリードタイム 数量と営業日、起算点を明記 「注文確定から」と「入金から」で計画が変わる
9 該当する表示・証明 提示できるものだけ 空のコンプライアンス表記は無いより悪い
10 価格条件と有効期限 FOB / CIF / 工場渡し、港、通貨、有効期限 値下げ交渉の往復を 1 回減らす行
11 画像セット 全体、ディテール、スケール参照か寸法図 形状と比率は文章で伝わらない
12 返信手段 + 版 返信先 1 つ、「Rev. 2026-10-21」 日付のないカードは 1 か月後には間違いになる

弱いのは 3 と 11 です。スケール参照のない写真は「入るか」に答えられません。目分量で引いた寸法線は測定ではありません。寸法が重要なら、数字はメジャー、図面、確認済みサンプルのどれかに由来し、カードにその出所を書きます。

送信前の 9 チェック

  • カードに型番は 1 つだけ
  • すべての寸法に単位があり、測定基準が書かれている
  • 組立寸法と梱包寸法の両方がある、またはどちらかが明記されている
  • 写真はすべてこの型番のもの(同シリーズの別型番ではない)
  • ファイルがチャネルに合う:メールなら 25 MB 以内、超えるなら意識してリンクで送る
  • 返信手段がスマホで 1 タップで動く
  • 版の日付が見える
  • MOQ、リードタイム、価格条件が直近の見積と一致
  • 製品名の表記がカード・見積・請求書で同じ

5 番目が最も飛ばされます。31 MB のカードを「そのまま送る」と、Gmail は静かに Drive リンクへ変え、バイヤーの前に製品ではなくアクセス許可の画面が出ます。

返信につながる受け渡しの順序

  1. まず範囲を送る。カタログかカテゴリページ。寸法は出さず、「どの 3 型番で見積もりますか」と 1 つだけ聞く。
  2. 3 型番が返ってきたら、カードを 3 枚、1 型番 1 枚で送る。同じテンプレート、同じ項目順。
  3. カードの版番号を見積に書く。後の仕様変更に記録が残る。
  4. チャットではファイルではなくカードのリンクを送り、メッセージに型番を書く。
  5. 可能なら、どのカードが開かれた・転送されたかを記録する。一度も送信箱を出ないカードは、形式の問題ではなく価格の問題です。

2 番目が形式判断の効果が出る場所です。項目順がそろった 3 枚は、どのカタログページより速く「自分の現場に入るか」に答えます。バイヤー は 3 つの同型ファイルを比べるだけで、3 つの別ページで同じ行を探さずに済むからです。

製品カードの限界

カードはプレゼンの文書であり、プレゼンには限界があります。はっきり書いておきます。

何も証明しません。証明書、試験報告書、宣言は発行機関のもので、カードはそれを指すだけです。

サンプルの代わりになりません。色、質感、接合部の品質は手で確かめるものです。

誤った測定を直せません。カードの寸法が図面ではなく販促資料から来ていれば、カードは誤りを速く流通させるだけです。生成画像も同じです。レンダリングされたシーンや 3D ビューは形状と文脈を示しますが、実寸は示しません。測定値は実際の測定から来る必要があります。

見積の代わりにもなりません。カードは安定した事実を載せ、価格と有効期限は見積に置く。そうすれば製品ページを再発行せずに改定できます。

FAQ

製品カードと PDF カタログは何が違いますか?

製品カードは 1 型番を対象に、特定の質問へ速く答えるための文書です。PDF カタログはシリーズ全体を対象に、選定のために作られます。カードは意思決定の文書、カタログは閲覧の文書で、片方にもう片方の仕事をさせるのが典型的な誤りです。

B2B の バイヤー 向け製品カードには何を載せるべきですか?

12 項目でほとんどの引き合いをカバーできます。製品名と品番、用途、実測寸法、組立・梱包寸法、正味・総重量、材質と仕上げ、梱包数量、MOQ とリードタイム、該当する表示、価格条件と有効期限、画像セット、返信手段と版日付です。

PDF カタログはメール添付には大きすぎますか?

多くの場合そうです。Gmail と Outlook.com は添付 25 MB が上限で、Gmail は超過分を送信失敗にせず Drive リンクへ置き換えます。実写が多く多言語のカタログはすぐ上限に達するため、フォローには 1 型番のカードか、意図的なリンク共有が向いています。

カタログページのスクリーンショットを送るのではだめですか?

送れますし、バイヤー 同士でもそうしています。失われるのは文脈です。ページ番号、価格表の表頭、版日付が消えるので、1 つの質問に答えて 2 つの新しい質問を作ります。繰り返し送るページなら、カードとして作り直してください。

次のステップ

詰まっている場所によって 3 通りあります。

カタログに書いてあることを バイヤー が何度も聞いてくるなら、原因は内容ではなく読み味です。問い合わせが多い 5 型番だけカードを作り、カタログは品揃え比較に残してください。

レイアウトの時間がないなら、実測寸法を製品写真に固定して 1 ページの共有ページとして書き出すワークスペースは選択肢の 1 つです。既存のデザインツールのテンプレートでも、工場から図面をもらって再利用するのでも構いません。作る前に輸出見積用の仕様表の組み方を確認してください。

受け渡しそのものが詰まっているなら、順序を先に直してください。範囲、絞り込み、カードの順です。この 1 点の変更は、製品カードと PDF カタログのどちらが良いかを論じるより、停滞した引き合いに効きます。展示会で使うQR コード製品シートは同じ論理を別の場面に当てたもので、WhatsApp Business カタログの画像サイズの規定は、実際に読まれるチャネルでカードが読めるかを決めます。

作る前に用語を 1 つ整理しておきましょう。カードは技術図面ではありません。仕様表と技術図面の違いが、バイヤーのエンジニアが受け取る文書を決めます。

出典・参考文献

製品カードとPDFカタログの違い:送るべき資料