商品画像のアスペクト比は、買い手が仕様図のどの部分を一生見ないかを決めます。16:9 で書き出した寸法図を、正方形サムネイルで表示するストアにアップロードすると、プラットフォームは左右からそれぞれ幅の約 22% を削り取ります。そこはちょうど、引き出し線とミリ単位の寸法値が置かれている場所です。写真そのものは問題なく見えます。ただ、寸法だけが消えています。
以下は、寸法ラベルを食べてしまうトリミングの見本帳です。それぞれがどう見えるのか、なぜ起きるのか、そしてそれを止める書き出し設定を並べます。ここに出てくるプラットフォーム側の数値はすべて各社が自ら公開しているドキュメントに基づくもので、パーセンテージはトリミングそのものの算術から出しています。
商品画像のアスペクト比が実際に決めていること
商品画像のアスペクト比とは画像の幅と高さの比のことで、1:1 の正方形、4:5 の縦長、3:2 や 16:9 の横長といった形で表します。これが、決まった形の枠にファイルを収めるときにストアが何を残すかを決めます。ストアが商品画像を白帯付きのレターボックスで表示することはまずありません。枠を埋めるために中央でトリミングします。
この挙動ひとつが問題のすべてです。中央トリミングは写真の中央を削りません。削るのは端です。そして端こそ、数値を置いた場所です。
中央トリミングのコストを、純粋な計算として示します。
| 書き出し | 表示枠 | 残る量 | 合計で失う量 | 片側あたり |
|---|---|---|---|---|
| 16:9 横長 | 1:1 正方形 | 幅の 56.3% | 43.7% | 21.9% |
| 3:2 横長 | 1:1 正方形 | 幅の 66.7% | 33.3% | 16.7% |
| 4:3 横長 | 1:1 正方形 | 幅の 75% | 25% | 12.5% |
| 1:1 正方形 | 4:5 縦長 | 幅の 80% | 20% | 10% |
| 1:1 正方形 | 2:3 縦長 | 幅の 66.7% | 33.3% | 16.7% |
| 4:5 縦長 | 1:1 正方形 | 高さの 80% | 20% | 10%(上下) |
同じ素材をマーケットプレイスのグリッドとソーシャルのカタログの両方に出しているなら、最後の 3 行は二度読んでください。まったく同じファイルが、一方では左右を、もう一方では上下を切られます。偶然で両方を生き延びる書き出しは存在しません。設計として両方を生き延びる書き出しだけがあります。
アンチパターン 1:ワイドスクリーンの仕様図
見え方: 1920 × 1080 で描かれた美しいソファの図面。左に全幅、右に座面奥行、下にスケールバー。検索グリッドでは、ソファがフレームいっぱいに写った正方形になり、数値は 1 つも残っていません。
原因: 16:9 はほぼすべての画面録画ツールとプレゼンツールの既定キャンバスなので、そのまま図面の既定キャンバスにもなってしまいます。しかも正方形枠に対しては最悪の元比率で、幅の 43.7% を失います。
対処: 寸法図は最初から正方形か 4:5 のキャンバスで作ります。商品が本当に横長なら、キャンバスを広げるのではなく商品を縮めます。見かけの大きさは少し落ちますが、注釈は 100% 残ります。
アンチパターン 2:外側の余白に置いたラベル
見え方: 数値がフレームの端にぴったり寄せられ、製図のように整列しています。一度トリミングされるだけで「1200 mm」の「1」が消え、「200 mm」になります。
原因: 製図の習慣です。CAD では寸法は対象の輪郭の外に置くものです。マーケットプレイスでは、輪郭の外はトリミング領域の中です。
対処: キャンバスの中央 80% だけを安全領域として扱います。四辺それぞれ 10% というマージンは迷信ではありません。EC で最も多い 2 つの変換、1:1 から 4:5 と 4:5 から 1:1 が、いずれも該当する辺から 10% ずつ削る、その実測値そのものです。失って困るものはすべてこの箱の内側に入れます。
Google の画像リンク要件は、別の角度から同じ方向を指しています。Google は、商品が画像全体の「75% 以上、90% 以下」を占めるように構図を取ることを求めています。商品がフレームの 90% を占めていれば、余白は合計 10% しか残りません。つまり商品の外側に積み上げたラベルは、すでにトリミング線の上に乗っています。
アンチパターン 3:フレーム外へ抜ける引き出し線
見え方: キャビネットの左端から矢印が伸び、もう存在しない数値に向かってキャンバスの外を指しています。買い手はこれをラベルの欠落ではなく、表示バグとして読みます。
原因: 注釈を安全領域ではなく、元写真の外形に合わせて描いたためです。
対処: すべての引き出し線を、計測した端と文字の両端が安全領域の内側に収まるように配置します。見える矢じりと見える数値で完結する寸法線は、トリミングされても自己完結した単位として生き残ります。配置の詳細は商品写真の引き出し線で扱っています。
アンチパターン 4:枠線
見え方: 図面のまわりに引かれた細いグレーや黒のフレーム。書類らしさを出すために足したものです。
原因: PDF カタログでは整って見えるので、そのカタログ用の素材をそのままストアで使い回してしまいます。
対処: 消します。Google ははっきり「枠線のある画像は使用しないでください」と述べています。ポリシー以前の問題として、枠線はトリミングで最初に切られる要素です。買い手が見るのは二辺だけ壊れた半端なフレーム、つまり手を抜いた商品ページの視覚的な署名です。
アンチパターン 5:寸法の隣に置いた宣伝テキスト
見え方: 隅に「送料無料」と価格のフラッシュがあり、そのすぐ横に正当な寸法の吹き出しがあります。
原因: デザイナー 1 人、キャンバス 1 枚、仕事 2 つ。
対処: 分けること、そして境界線を知ることです。Google の画像要件は、商品に本来備わっているものでない限り、行動喚起、価格情報、宣伝的な形容詞、透かし、ブランド名や小売店名を画像内に入れることを認めていません。説明としての寸法テキストは宣伝テキストではありません。「1200 mm」というラベルは、衣類のタグに印刷されたサイズと同じように商品を説明しています。この 2 つを 1 枚のキャンバスに混ぜることが、本当に役に立つ仕様画像を宣伝オーバーレイのフィルタに引っかけます。
このカテゴリで最も過剰に修正されがちなルールがこれです。「画像に文字を入れるな」とだけ聞いた出品者が寸法ラベルを剥がし、その後で購入前のサイズ問い合わせが増える理由が分からなくなります。このルールが対象にしているのはマーケティング文言であって、寸法ではありません。
アンチパターン 6:小さすぎる書き出し
見え方: 900 × 900 px の図面。手元のノート PC では完璧に読めるのに、ズーム表示ではグレーの粥になります。
原因: 書き出しサイズを、いま自分が見ているレイアウトに合わせて決めていて、プラットフォームがいずれ描画する最大の枠に合わせていないためです。
対処: 大きく書き出して、縮小はプラットフォームに任せます。Google の画像リンク要件は、画像は少なくとも 500 × 500 px、推奨は 1500 × 1500 px 以上、上限は 64 メガピクセルかつ 1 ファイル 16 MB としています。細い注釈の線と高さ 2 mm の数字は拡大処理で真っ先に犠牲になります。仕様図にとって効く下限はプラットフォームの最小値ではなく、そのプラットフォーム自身の圧縮を通した後でも最小の数字が読める大きさです。
実際に公開されている比率
多くのマーケットプレイスは画像ルールを出品者コンソールの中、ログインの向こう側に置いています。ネット上のアドバイスの多くが又聞きなのはそのためです。公開されていて引用できるのは次のものです。
| プラットフォーム | 公開されているガイダンス | 注釈にとっての意味 |
|---|---|---|
| Google ショッピング / 無料リスティング | 最低 500 × 500 px、推奨 1500 × 1500 px 以上、上限 64 MP・16 MB、商品はフレームの 75〜90% を占める、枠線なし、宣伝オーバーレイや透かしなし | 正方形と相性がよく構図も詰まっているため、可能な限り吹き出しは商品自身の外接領域の内側に置く |
| 2:3(1000 × 1500 px)を推奨、幅と高さの比が 2:4.2 を超えるピンはフィードで切り詰められる | ここでは正方形の図面が片側 16.7% を失う。正方形を使い回さず縦長版を作る | |
| Shopify テーマ | 商品メディアはレスポンシブで多くは正方形のコンテナに描画され、テーマのコードは通常 2048 px の画像を要求する | 1 商品のメディア全体で比率を揃えることが、ギャラリーの跳ねを防ぐ |
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、eBay、Etsy については、ブログの表を信じるのではなく、自分の出品者コンソールで現在の画像要件を読んでください。これらのページは告知なく変わりますし、自分のアカウントで確認できる版こそが自分の出品を支配する版です。これらのルールがどこで食い違うかを横断的に見た内容は出品写真のセーフゾーンにあります。
ラベルを二度と失わないために
持続する解決策は、より上手なトリミングの当てずっぽうではありませんし、各プラットフォームの商品画像のアスペクト比を暗記することでもありません。図面を「文字を上に載せた絵」として扱うのをやめ、「画像に紐づいた計測データ」として扱い始めることです。
寸法が商品の実際に計測された端に固定されていれば、つまり計測を端にスナップし、ラベル位置をそのアンカーから導出していれば、1:1、4:5、2:3 での書き出し直しは描き直しではなく再レンダリングになります。数値は測った対象に貼り付いたままで、どの書き出しも安全領域を守った状態で目標比率に着地します。これは汎用の画像編集ソフトがテキストボックスでやることとは別の仕事ですし、AI 画像生成とはさらに別の仕事です。AI 生成は、何も測らずに「1200 mm」というもっともらしい数字を平気で出してきます。もっともらしいのは、無いことより悪い。買い手が信じてしまった架空の数字は、これから提出される返品です。この用途向けのツールの比較は商品写真に寸法を追加するツールにあります。同じ「計測して書き出す」考え方が、複数ページの仕様書をカタログ全体で一貫させます。
書き出し前のセーフエリア・チェックリスト
図面を自分の手元から出す前に、これを回してください。
- キャンバスは 1:1 か 4:5。16:9 でも、写真の適当な切り抜きでもない
- すべての数値と矢じりがキャンバス中央 80% の内側にある
- フレームの端に触れる、または端から出る引き出し線がない
- 枠線なし、ドロップシャドウの縁取りなし、装飾の罫線なし
- 寸法と同じキャンバスに価格、「セール」、透かし、ロゴがない
- 長辺は最低 1500 px、ファイルは 16 MB 未満
- 300 px のサムネイルに縮小しても最小の数字が読める
- 2:3 の面に出稿するなら縦長版がある
- 同じ商品の画像がすべて同じアスペクト比で揃っている
よくある質問
商品画像のアスペクト比は何にすべきですか?
最も安全な商品画像のアスペクト比は、マーケットプレイスのグリッド向けが正方形(1:1)、縦長優先の面向けが 4:5 で、どちらも同じ正方形セーフのレイアウトから書き出します。正方形が最も寛容な元比率なのは、そこから出入りする 2 つの一般的な変換、4:5 への変換とその逆が、いずれも該当する辺で 10% しかコストがかからないからです。高くつくのは横長です。16:9 は正方形枠に入った瞬間に幅の 43.7% を失います。
なぜマーケットプレイスで商品画像が切れるのですか?
ストアが決まった形の枠を、白帯を足すのではなく中央トリミングで埋めるからです。枠の形から外れた部分は捨てられます。バグでもアップロード失敗でもなく、通常の当てはめ動作であり、必ず端から取っていきます。
商品画像に寸法テキストを入れてもいいですか?
サブ画像やインフォグラフィック画像には入れてよく、そこに置けるものの中でも価値が高い部類です。プラットフォームが制限しているのは宣伝オーバーレイ、つまり価格、行動喚起、透かし、ブランドバッジです。Google の画像要件はこれらのカテゴリを名指ししています。寸法ラベルは説明としての商品情報であり、マーケティング文言ではありません。メイン画像枠のルールは通常最も厳しいので、自分の出品者コンソールで確認してください。
正方形の画像 1 枚でどこでも通用しますか?
ほぼどこでも通用します。それは「どこでも」と同じ意味ではありません。Pinterest は 2:3 を推奨し、2:4.2 を超えたピンを切り詰めるので、そこでは正方形の素材が片側 16.7% 切られるか、ネイティブの縦長ピンより小さく表示されます。その面が自分の流入にとって重要なら、トリミングを受け入れるのではなくネイティブ版を書き出してください。
安全領域は正確にどれくらいですか?
失って困るものはすべてキャンバス中央 80% の内側、つまり四辺それぞれ 10% のマージンの内側に収めます。このマージンは恣意的ではなく導出されたものです。1:1 から 4:5 への変換が片側から削る量、そして 4:5 から 1:1 への変換が上下から削る量と、正確に一致します。
