ペール缶に書かれた「5ガロン」は容量の数字です。バイヤーがメジャーで測るのは直径です。この2つは別物で、そのズレから運賃見積もりもインナー袋(ライナー)の発注も狂い始めます。
標準的な5ガロンペール缶は、上径(天面の外径)約11.9インチ、底径約10.3インチ、高さ約14.5インチです。誰もが「5ガロン」という1つの数字で呼ぶ容器に、寸法は3つあります。上径と底径を取り違えると、1缶ごとに約1インチ分の無駄な幅を見込んでパレットを過大に見積もることになります。英ガロンで容量を伝えると、実際に入る量より2割多い液量をバイヤーに約束することになります。
この記事では、仕様をすべて表にまとめたうえで、「5ガロン」が実際に何リットルなのかを示します。さらに、バイヤー、ライナーの仕入先、運賃計算の三者が同じ数字を読めるよう、商品ページへの書き方も整理します。
5ガロンバケツ 寸法と標準ペール缶サイズ一覧(インチ・mm)
丸型のプラスチックペール缶は、サイズに応じて規則的に大きくなります。間違えやすいのは最初の2列です。上径は必ず底径より大きく、両者は入れ替えられません。
| 公称サイズ | 上部外径 | 底部外径 | 高さ(フタなし) | 容量 |
|---|---|---|---|---|
| 1 gal | 7.60 in (193 mm) | 6.42 in (163 mm) | 7.50 in (191 mm) | 3.8 L |
| 2 gal | 9.60 in (244 mm) | 8.14 in (207 mm) | 9.50 in (241 mm) | 7.6 L |
| 3.5 gal | 11.75 in (298 mm) | 10.00 in (254 mm) | 11.13 in (283 mm) | 13.2 L |
| 5 gal | 11.91 in (303 mm) | 10.33 in (262 mm) | 14.50 in (368 mm) | 18.9 L |
出典:U.S. Plastic Corp — Standard 5 gallon bucket。U.S. Plastic Corp — Round plastic buckets & pailsと照合(2026年)。寸法は成形メーカーや金型の改版によって多少変わります。公差ではなく、目安となる基準値として扱ってください。
鋼製ドラム、ジェリカン、IBCトートまで含めた標準容器の寸法は、標準バケツ・ペール缶の寸法リファレンスにまとめています。
厚肉タイプ(ヘビーデューティー)の5ガロンペール缶
90 milのペール缶は、充填したまま出荷し、中身入りで段積みし、UN規格を取得するためのタイプです。標準品より底部がわずかに広く、高さも少しだけ高くなっています。
| 項目 | 標準 5 gal | 厚肉 5 gal |
|---|---|---|
| 上部外径 | 11.91 in (303 mm) | 11.81 in (300 mm) |
| 底部外径 | 10.33 in (262 mm) | 10.375 in (264 mm) |
| 全高(フタなし) | 14.50 in (368 mm) | 14.625 in (371 mm) |
| 肉厚 | 0.075 in (1.9 mm) | 0.090 in (2.3 mm) |
| 空缶重量 | ~2.2 lb (1.0 kg) | 2.19 lb (0.99 kg) |
出典:The Cary Company — 5 gallon white plastic pail, 90 mil(2026年)。
バケツの上径と底径が違う理由
ペール缶は円柱ではありません。口が広く底が狭い円錐台で、このテーパー(勾配)は意図して付けられています。空缶を入れ子(ネスティング)にして輸送できるのも、中身入りの缶を安定して段積みできるのも、このテーパーのおかげです。
実務への影響ははっきりしています。5ガロンペール缶では、テーパーによって上径と底径に1インチを少し超える差が生まれます。 ぎりぎりで組んだコンテナ積載がパレット幅オーバーになったり、ライナーが収まらなかったりする原因は、まさにこの種の数字です。
数字が2つあれば、役割も2つあります。
- 上部外径(トップOD):フタ、リム(口縁)、ライナー外側のフィット、そしてパレット上に2列で並ぶかどうかを決めます。
- 底部外径(ボトムOD):入れ子の深さ、棚に置いたときの設置面積、入れ子状態で横に何本並ぶかを決めます。
仕様欄に「直径」が1つしか書かれていなければ、バイヤーはどちらの端を測ったのか判断できません。両方を書き、それぞれにラベルを付けてください。
ネスティングは注記ではなく、運賃を決める数字
テーパーで入れ子にできるため、空の5ガロンペール缶は1パレットあたり約240個で出荷されます。輸出の容積(CBM)を見積もるときは、個々のペール缶のどの寸法よりもこの数字が効いてきます。中身入りの缶は入れ子にできないので、同じパレットに載る数はずっと少なくなります。見積書には、この2つの積み付け条件を別々の数字で載せる必要があります。
5ガロンバケツの実容量:「5ガロン」は何リットルか
仕様書の多くが書いていないのがここです。「ガロン」は1種類の単位ではありません。
- 米液量ガロンは231立方インチ、つまり3.785 Lです。5倍すると18.9 Lになります。
- 英ガロン(インペリアルガロン)は4.546 Lです。5倍すると22.7 Lになります。
同じ「5ガロン」でも、英ガロンのほうが容量は2割多くなります。米国のバイヤーと英国のバイヤーが同じ「5ガロンのペール缶」を頼んでも、思い描いている容器には4リットル近い差があります。英ガロンはUK Weights and Measures Act 1985で定義されています。米ガロンの「231立方インチ」という定義は、米国の計量ルールブックであるNIST Handbook 44に載っています。
国内の感覚でいえば、18.9 Lは18 Lの一斗缶より少し多く、20 Lのペール缶より少し少ない容量です。「5ガロン=20 L」と丸めて見積もると、充填量の約束がその分ずれます。
要点を一文で:「5ガロンバケツ」の容量は、米国では18.9リットル、英国では22.7リットル。同じ名前でも、英国式なら2割多い容量になります。
公称容量は満杯ラインではない
ラベルの18.9 Lは実用上の充填量で、口いっぱいまで入れた容量ではありません。ペール缶は充填ラインの上にヘッドスペースを残す設計です。これでフタがきちんと閉まり、内容物の膨張を逃がせて、段積みしても内圧がかかりません。「2×4(ツーバイフォー)」材、「8×8×16」のブロック、「10×13」のポリメーラーでも起きる、公称寸法と実寸の食い違いと同じ落とし穴です。名称はカテゴリーにすぎず、実測値こそが事実です。この問題の全体像は公称寸法と実寸の違いで解説しています。
つまり、バイヤーに「本当に5ガロン入るのか」と聞かれたら、正直な答えはこうなります。「ヘッドスペースを確保した設計で、実用充填量は18.9 Lです。それを裏付ける3つの寸法はこちらです」。
バイヤー基準でのペール缶寸法の測り方
バイヤーが同じ手順で再現できない測定値は、仕様とは呼べません。丸型ペール缶は次の手順で測ります。
- 上部外径:フタを外し、リム外側の最も広い位置を測ります。
- 底部外径:底の一番下で、外側を測ります。
- 高さ:フタを外して底からリムまでを測ります。続けてフタを付けてもう一度測ります。はめ込み式のフタで全高が約0.5–1 in増えるためです。
- 単位は2通りで記載:インチとミリメートルの両方で書きます。単位が1種類だけだと、海外バイヤーの換算ミスを招きます。
- どちらの端の直径かを明記:「トップOD」「ボトムOD」と書き、単に「直径」とは書きません。
この手順を正確に保つ方法は地味なものです。実物のペール缶を測り、実測した寸法を、バイヤーが実際に見る商品写真の上に固定します。そのうえで、同じ数字をプラットフォーム指定の画像サイズで書き出します。エッジ吸着(スナップ)計測を使えば、寸法線を実物のリムと底にぴったり合わせられます。写真の上に手打ちした数字や、画像生成AIがそれらしく作った寸法は、ラベルを貼っただけの推測にすぎません。ペール缶の写真に2つの直径を直接書き込んでおけば、「11.9はどっちの端ですか?」という問い合わせメールはそもそも来なくなります。工業用容器の寸法図を作るなら、工業製品の仕様図作成がそのための作業フローです。
UN規格ペール缶:表示コードから読み取れること
危険物を運ぶペール缶にはUN表示コードが付いており、それ自体が小さな仕様書になっています。一般的な5ガロンのプラスチックペール缶なら、1H2/Y27/Sのような表示です。
49 CFR 178.503の表示規則に沿って読み解くと、次のとおりです。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| 1 | ドラム(ペール缶は「バケツ」ではなく、オープンヘッドのドラムとして分類されます) |
| H | プラスチック |
| 2 | 天板取り外し式:フタ付きのオープンヘッドペール缶 |
| Y | 容器等級IIおよびIIIの基準で試験済み |
| 27 | 最大総質量27 kg |
| S | 固体または内装容器用 |
記号の違いは重要です。Xは容器等級I・II・III、YはII・IIIのみ、ZはIIIのみが対象です。容器等級Iの貨物にY表示のペール缶を使えば、缶が無傷でも書類は誤りになります。サイズの上限は49 CFR 178.509で決まっています。プラスチックドラム(1H1、1H2)は最大450 L・正味質量400 kg、ジェリカン(3H1、3H2)は60 L・120 kgが上限です。鋼製の同等品は49 CFR 178.504に従い、上限は同じく450 L / 400 kgです。5ガロンペール缶はどの上限にも余裕で収まりますが、バイヤーのコンプライアンス書類で求められるのはこの表示です。記号ごとの詳しい読み方はUN包装コードの読み方にまとめています。
ただし、UNコードは寸法を表すものではありません。ペール缶の幅はUNコードからは分からず、メジャーの代わりにもなりません。両方を載せてください。
バケツとペール缶は同じものか
日常英語ではbucketとpailは同じ意味で、ほとんどの辞書が同義語として扱っています。一方、包装・輸送の業界用語は**pail(ペール)**です。側面がまっすぐに近いオープンヘッド容器で、つる(ベイルハンドル)が付いており、UNコード上はドラムと呼ばれるものを指します。業界では、約5ガロンまでの容器を「pail」、もっと広い一般消費者向けの意味を「bucket」と使い分けることがよくあります。日本語でも、業界では「ペール缶」、ホームセンターの売場では「バケツ」と呼ぶのに近い感覚です。
この違いは1行で済む話で、議論するほどのことではありません。バイヤーが判断に使うのは呼び名ではなく形状です。つまり、上部外径、底部外径、高さ、そしてどのガロンを指しているかです。呼び名を「間違えて」も返品は起きませんが、底径を間違えればライナーの注文が突き返されます。
商品ページ・見積書に載せる仕様ブロック
以下を商品ページ、見積書、写真の注記にそのまま使い、3か所すべてで同じ数字を使ってください。
| 項目 | 書く内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 公称容量 | サイズ+米ガロン+リットル | 5 US gal (18.9 L) |
| 上部外径(トップOD) | 数値+単位 | 11.9 in (303 mm) |
| 底部外径(ボトムOD) | 数値+単位 | 10.3 in (262 mm) |
| 高さ | フタなしの高さ+フタ込みの高さ | 14.5 in (368 mm)、フタ込み約15 in |
| 材質 | 樹脂の種類 | HDPE、FDA食品グレード |
| 肉厚 | 標準品か厚肉品か | 0.075 in / 90 mil |
| UN規格 | 取得していればコード全体 | 1H2/Y27/S |
| 積載数 | パレット積載数(入れ子/充填) | 入れ子で240個、充填時はそれより大幅に少ない |
よくある失敗は行の抜けではなく、数字の矛盾です。写真には11.9、仕様表には12、タイトルでは丸めて「12インチ」。1つのペール缶に数字が3つあれば、3種類のペール缶に見えます。この食い違い自体が、「商品説明と異なる」というクレームの根拠になります。
送付前チェックリスト
- 上部外径と底部外径の両方を記載し、それぞれどちらの端かを明記した
- 高さはフタなしで記載し、フタ込みの高さを別に注記した
- 容量を米ガロンとリットルで記載し、どのガロンかを明記した
- 寸法をインチとミリメートルの両方で記載した
- UN規格品ならコードを省略せずに転記した(Y/X/Zの対象範囲も確認済み)
- パレット積載数を、空缶の入れ子時と充填時に分けて記載した
- 画像の注記、仕様表、タイトルのすべてで数字が一致している
- 少なくとも1枚の商品画像に、実物のエッジに合わせた実測寸法が入っている
よくある質問(FAQ)
5ガロンバケツの寸法はインチとmmでいくつですか?
標準的な5ガロン(18.9 L)のプラスチックペール缶は、上部外径が約11.9 in (303 mm)、底部外径が約10.3 in (262 mm)、フタなしの高さが約14.5 in (368 mm)です。空缶を入れ子にできるようテーパーが付いているため、上径のほうが底径より大きくなっています。
5ガロンバケツの高さは?フタ込みだとどのくらいですか?
フタなしの高さは、標準品で約14.5 in (368 mm)、90 milの厚肉品で約14.6 in (371 mm)です。はめ込み式のフタを付けると段積み時の高さが約0.5–1 in増えます。バイヤーが棚やケース、コンテナに収める場合は、必ずフタ込みで測ってください。
5ガロンバケツはパレットに何個積めますか?
空の5ガロンペール缶は入れ子にできるため、1パレットあたり約240個(約120個入りのケースを2段)で出荷されます。充填済みの缶は入れ子にできないので、積める数はずっと少なくなります。入れ子時の数字は輸出の容積を実際より有利に見せるので、2つの積み付け条件は分けて見積もってください。
輸出用にペール缶の寸法はどう測ればよいですか?
フタを外した状態で、リムで上部外径を、底で底部外径を測ります。高さは底からリムまでを、フタなしとフタ込みの両方で測ります。すべての数字をインチとミリメートルで記録し、各直径がどちらの端のものかを明記したうえで、写真・仕様表・タイトルに同じ数字を載せてください。
ペール缶とバケツは同じものですか?
日常的な用法では同じで、辞書でも同義語とされています。包装・輸送の業界用語は「pail(ペール)」で、UN表示規則がドラムとして分類する、つる付きのオープンヘッド容器を指します。取引で重要なのは呼び名の違いではなく形状です。つまり、上径、底径、高さ、そしてどのガロンを指しているかです。
出典・参考
- U.S. Plastic Corp — Standard 5 gallon bucket (standard pail dimensions)
- U.S. Plastic Corp — Round plastic buckets & pails (1–5 gallon size table)
- The Cary Company — 5 gallon white plastic pail, 90 mil (heavy-duty dimensions and weight)
- eCFR — 49 CFR 178.503, marking of packagings (X/Y/Z packing-group letters, gross mass, S)
- eCFR — 49 CFR 178.509, plastic drums and jerricans (1H1/1H2 max 450 L / 400 kg; 3H1/3H2 max 60 L / 120 kg)
- eCFR — 49 CFR 178.504, steel drums (max 450 L / 400 kg)
- NIST Handbook 44 — Specifications, tolerances and other technical requirements for weighing and measuring devices (US liquid gallon = 231 in³)
- UK Weights and Measures Act 1985 (imperial gallon = 4.54609 L)
